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ブログ運営:「子ども・被災者支援法」発議者の1人、川田龍平参議院議員事務所

2017年4月7日金曜日

今村大臣に辞職を要求

201746
子ども・被災者支援議員連盟 会長 荒井聰
幹事長 川田龍平

「自主避難は自己責任」とした
今村雅弘復興大臣に対する抗議声明

当議連は、「子ども・被災者支援法」を立法した超党派の国会議員の集まりです。私たちは、同法発議者として、同法の目的と理念を実現するために活動してまいりました。

同法は、避難指示が解除されようとされまいと、原発事故から避難する権利、どこに住むかの自己決定は、避難者の権利であることを明確に定めており、国はそれを支援することを明確に法定しています。

 ところがこの法律を主管する今村雅弘復興大臣が44日の記者会見で、「自主避難者は本人の判断。裁判でも何でもやればいいじゃない。自己責任だ」と発言しました。これは同法に明記された自主避難者に対する国の責任を、主管大臣自らが否定するという許しがたい暴言です。

記者に怒鳴った事よりも、復興を担当する政府の代表が、このような当事者に寄り添う視点に欠け、被災者が今も置かれている現状を理解していないことに、大変大きな危機感を感じます。

避難した子どもが避難者であることを理由とするいじめが各地で明らかになっておりますが、こういった差別や人権侵害を助長しかねない大臣発言であり、極めて深刻な影響を社会にもたらしており、撤回するだけでは済まないと考えます。
 
私たちは、今村大臣に厳重に抗議し、猛省を促すとともに、早急に自主避難者に対する心からの謝罪を表明し、潔く自ら復興大臣を辞職すべきと考え、ここに議連としての意思を表明します。



以上

2017年2月28日火曜日

議連総会を開き、決議・政府申し入れを行いました

2017年2月28日

内閣総理大臣 安倍晋三殿
関係各大臣殿
                   子ども・被災者支援議員連盟

  子ども・被災者支援法の適切な実施に関する決議・申し入れ

 当議連は、「子ども・被災者支援法」を立案した超党派の国会議員の集まりです。私たちは、同法発議者として、同法の目的と理念を実現するために、これまでにもたびたび政府に対して申し入れを行ってきました。
 同法は、支援対象地域における居住継続、他の地域への移動、移動前の地域への帰還のいずれの選択をも自らの意思で行うことができるよう支援し、また放射線被ばくによる被災者の健康上の不安を解消するために最大限の努力を行うことを理念としています。
 ところが、2017年3月末、福島第一原発事故にともなう避難指示区域外からの避難者に対する応急仮設住宅の供与が打ち切られ、多くの被災者が避難前の地域への帰還を余儀なくされており、また応急仮設住宅の供与主体である各自治体が、緊急の対応を迫られています。また、福島県が実施している県民健康調査の甲状腺検査においては、これまで183人が甲状腺がんまたはその疑いと診断されており、同調査の検討委員会は、一巡目の検査(先行検査)においてはがんの罹患統計から推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多く、放射線の影響の可能性も小さいとはいえ完全に否定はできないとしています。さらに二巡目の検査(本格検査)でも68人が甲状腺がんまたはその疑いと診断されています。
 また最近、避難した子どもが避難者であることを理由にいじめを受けていたことが報道されており、避難に伴う差別や人権侵害が問題となっています。
 そこで私たちは、同法を適切に実施し、同法の目的と理念を実現するために、以下のとおり決議し、政府に申し入れます。

               記

1.住宅支援について
 同法二条2項は「支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援」と定めています。
 支援対象地域から避難した人々、そして避難指示が解除され「支援対象地域」となった(また2017年3月末に解除される予定の)地域から避難を続ける人々への避難先での住宅に係る支援は、支援対象地域への「帰還者」への支援と比べ「適切」といえませんし、公営住宅への入居要件の緩和だけで「適切な支援」とはみなせません。二条4項は「被災者の支援の必要性が継続する間確実に実施されなければならない」と定めています。多くの避難者が住宅支援継続の「必要性」を訴えている以上、「確実に実施されなければならない」のです。

1-1.政府は、2017年3月末の応急仮設住宅の供与終了の影響を受ける避難者のうち、避難の継続を希望する者が、帰還を強いられることがないことを確保すること。

1-2.そのために、福島県とともに避難者の意向を把握するとともに、支援法9条に基づき、さらに住宅の確保に関する追加施策を講じること。

1-3.特に、福島県や避難先の自治体が住宅確保に関する施策を講じるにあたって必要な支出について国が財政的手当を行うと同時に、国家公務員宿舎、雇用促進住宅等について、積極的な活用を行うこと。

1-4.また、避難生活の長期化による生活上の負担を解消するための定住支援策として、就労の支援のほか定住に伴って発生する費用・損害を一律・一括で賠償させるなどの具体的な施策を講ずること。

2.甲状腺検査と医療について
 同法十三条2項は「少なくとも、子どもである間に一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者(胎児である間にその母が当該地域に居住していた者を含む。)及びこれに準ずる者に係る健康診断については、それらの者の生涯にわたって実施されることとなるよう必要な措置が講ぜられるものとする」と定めています。
 甲状腺検査を含む健康診断は、「生涯にわたって実施される」と定められており、安易に などの提案で「規模の縮小」「受診のデメリットを強調する」などということがあってはなりません。
 対象は一定の基準以上の放射線量が計測される地域(に居住したことのある者)であり、「福島県内」とは限定していません。事故直後の放射性ヨウ素を含むプルームの移動経路を見て、関東を含むより広い範囲での検査を実施しなければ、この条文を実施したとは言えないのです。

2-1.環境省は、「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」を再開し、県民健康調査の甲状腺検査の結果、特に本格検査における有病率や、他県の自治体が独自に行っている甲状腺検査の結果について検討し、その結果を踏まえ、支援法13条2項に基づく福島県外(特に汚染状況重点調査地域に指定されたことのある市町村)における甲状腺検査の実施について、改めて前向きに検討を行うこと。

2-2.また、支援法13条3項に基づき、県民健康調査により診断されたか否かを問わず、甲状腺がんまたはその疑いと診断された者に対する医療費の減免措置を講じること。

3.「いじめ」問題について
 第二条4項は「被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、被災者に対するいわれなき差別が生ずることのないよう、適切な配慮がなされなければならない」と定めています。
 福島県外の人が「放射能が染る」と信じているために「いじめ」が起こる、といった報道が後を絶ちません。「放射能が染る」、「菌」などと呼んで、被害者に接した人々は、本当に「放射能が感染する」などとは思ってはいないのではないでしょうか。本当に「感染する」と恐れたのなら、冷やかしたり、お金を要求するなど、自ら接触を増やすはずがないからです。「放射能は染らない」ことを知りながら、「放射能が染る」と嫌がらせをしていることこそが問題です。これを「放射線の知識」についての問題とすり替えてはなりません。このような避難者に対する排斥は「放射線」に関する無知からではなく、避難者が当たり前に持つ「法的権利」についての無知から生じているのです。
 その証拠に、自主避難をしていること自体をもっていじめられている実態もあります。

3-1.政府は、避難者が、法的権利に基づき避難してきた人々であり、その権利の侵害は違法行為であること、及び法律に以下が明記されていることの周知徹底を図ること。
・原子力発電所の周辺境界の被ばく線量は1ミリシーベルト/年以下に抑える規則があること。
・放射性物質の表面密度が4万㏃/㎡をこえる場所には放射線管理区域の設定が求められること。
・子ども・被災者支援法は「放射線の影響が科学的に未解明であること」、避難をする選択をした場合にも「国が適切に支援する」ことを定めていること。

3-2.政府は、避難者に対する差別・いじめなどの人権侵害に関する実態を把握すること。

3-3.避難者に関与する国・地方自治体や民間主体は、「被災者に対するいわれなき差別が生ずることのないよう、適切な配慮がなされなければならない」とする支援法2条4項に基づき、「放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」(支援法1条)中で、避難指示区域内外の被災者への支援を定めた支援法の目的および理念を踏まえ、被災者が置かれている状況についての正しい理解を促進し、被災者への人権侵害を防ぐための施策を講じること。

以上

2015年8月26日水曜日

基本方針改定にあたり、申し入れを行いました。

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
復興大臣   竹下 亘  殿

                         2015年8月26日

 子ども・被災者支援議員連盟 会長 荒井 聰


「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」は、この国に住むすべての国民に一定量以上の被曝をさせてはならないという理念の下に、全会一致で成立したものである。
当議連は、この趣旨から、2015年8月25日に閣議決定された「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針」について、政府に対し、下記の通り申し入れる。


1 今回改定された基本方針においては、パブリックコメントや説明会で受けた意見が十分反映されていないため、同法の理念および立法者の意思を踏まえて、必要な修正を適宜行うことを求める。

2 同法は、避難するか否かの選択を被災者自身が行うことができるよう適切な支援を行うことを理念として定めており(22項)、「新たに避難する状況にない」と政府が一方的に判断することは、そもそも同法の理念に反するため、改定基本方針のうち「新たに避難する状況にはなく、法の規定に従えば、支援対象地域は縮小又は撤廃することが適当である」との記述を削除すること。

3 定住・帰還の支援だけではなく、一時的な避難が今後も継続することを前提として、定住・帰還をいまだ決断していない避難者に対する支援も引き続き継続すること。

4 母子避難等二重生活を強いられている世帯を中心にいまだに住宅支援を必要としている世帯は多く、応急仮設住宅の供与が打ち切られた場合には避難者が望まない帰還を強いられることになるため、応急仮設住宅の供与期間をさらに延長すること。
国の責任において住宅の確保に関する施策を講じることを求めている支援法9条に基づき、政府は、住宅の確保に関する施策について避難者の生活実態を調査検討した上で、国の責任において適切な施策を講ずること。

5 避難生活の長期化による生活上の負担を解消するための定住支援策として、就労の支援のほか定住に伴って発生する費用・損害を一律・一括で賠償させるなどの具体的な施策を講ずること。

6 同法13条の規定に従い、少なくとも汚染状況重点調査地域に指定されたことがある自治体において、甲状腺検査を含む健康診断を実施すること。

7 同法5条および14条の規定に基づき、被災者の意見が反映されるよう、常設の仕組みづくりを行うこと。

8 基本方針の改定は、同法が定めるとおり毎年行うこと。また、改定に際しては、立法者の意思を踏まえて、同法1条、8条および13条の2にある「一定の基準以上の放射線量」を年間1ミリシーベルトにすることを目指して、支援対象地域の拡大および政府による避難指示が解除された地域を支援対象地域に再編することを含めて検討すること。


以上




関連資料
申入書の傍線部分 「立法者の意思を踏まえて」

■第180回国会 東日本大震災復興特別委員会 第7号
平成二十四年六月十九日(火曜日)

谷岡参議院議員 ただいま議題となりました法律案につきまして、その提案の趣旨及び主な内容を御説明いたします。
 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故により大量の放射性物質が放出され、広範囲にわたる環境汚染の被害が発生いたしております。放射性物質が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないこと等により、一定基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、または居住していた被災者及び政府による避難指示により避難を余儀なくされている被災者は、常に健康上の不安を抱えるとともに、事故前の生活の継続が不可能になり、苦痛を強いられております。中でも、子供たちは、汚染された環境で子供らしく生活することができなくなっています。
 そのため、子供に特に配慮して行う被災者の生活支援等に関する施策を推進することにより、原発事故によって事故前の生活基盤を損なわれた被災者の主体的な生活再建を実現していくため、本法律案を提案することとした次第であります。
 次に、本法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択をみずからの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならないこと、被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、被災者に対するいわれなき差別が生ずることのないよう、適切な配慮がなされなければならないこと、被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、胎児を含む子供が放射線による健康への影響を受けやすいことを踏まえ、その健康被害を未然に防止する観点から、放射線量の低減及び健康管理に万全を期することを含め、子供及び妊婦に対して特別の配慮がなされなければならないこと等の、被災者生活支援等施策の基本理念を定めております。
 第二に、国は、原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護すべき責任並びにこれまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、被災者の生活支援等に関する施策を総合的に策定し、被災者に提示し、及び実施することの責務を有するものといたしております。
(以下、省略)

■第180回国会 東日本大震災復興特別委員会 第8号
平成二十四年六月十四日(木曜日)

森まさこ君 ただいま議題となりました東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律案の草案について、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。(中略)
 とりわけ、子どもや胎児は、放射線への感受性が高いと言われており、低線量の放射線が人の健康に与える影響も科学的に十分解明されていないことから、保護者や妊婦の方は大きな不安を抱いています。今、私たちがすべきことは、未来ある子どもたちを原発事故による被害から保護するため、国を挙げて、あらゆる手段を尽くすことであります。
 この法律案は、このような趣旨に鑑み、平成二十三年東京電力原子力事故により被害を受けた被災者の生活支援等施策を総合的かつ計画的に推進しようとするものであります。(中略)
  次に、被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならないことといたしております。また、東京電力原子力事故に係る放射線による外部被ばく及び内部被ばくに伴う被災者の健康上の不安が早期に解消されるよう、最大限の努力がなされるものでなければならないことといたしております。
 次に、被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、被災者に対するいわれなき差別が生じることがないよう、適切な配慮がなされなければならないことといたしております。
 次に、胎児を含む子どもが放射線による健康への影響を受けやすいことを踏まえ、その健康被害を未然に防止する観点から放射線量の低減及び健康管理に万全を期することを含め、子ども及び妊婦に対して特別の配慮がなされなければならないものといたしております。
 次に、国は、原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護すべき責任並びにこれまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、被災者の生活支援等に関する施策を総合的に策定し、被災者に提示し、及び実施する責務を有するものといたしております。(中略)
次に、国は、支援対象地域以外の地域で生活する被災者及び支援対象地域以外の地域から帰還する被災者を支援するため、住宅確保に関する施策、就業支援に関する施策、地方公共団体による役務の提供を円滑に受けることができるようにするための施策その他の必要な施策を講ずるものといたしております。
(以下、省略)



2015年5月29日金曜日

住宅支援の打ち切りをしないよう、内閣府に申し入れしました


本日、川田龍平、福島瑞穂、徳永エリ各参議院議員及び小宮山泰子衆議院議員の4名にて、
内閣府の松本洋平大臣政務官を訪ね、下記の申し入れを行いました。


2015529

内閣府特命担当大臣(防災担当) 山谷えり子 殿


子ども・被災者支援議員連盟 
幹事長 川田龍平

原発事故避難者への仮設住宅等の供与に関する申し入れ


当議連は、「子ども・被災者支援法」を立案した超党派の国会議員の集まりです。同法発議者として、同法の理念と目的を実現するために、これまでにもたびたび政府に対して申し入れを行ってきたところです。このたび、原発事故避難者への仮設住宅等の供与について、以下の通り、申し入れます。



1.     政府は、福島県との協議を早急に行い、現在2016年3月末までとなっている原発事故避難者へのみなし仮設住宅を含む仮設住宅等の供与期限を速やかに延長すること。


2.     上記の供与期間の延長においては、2017年3月末をもって、避難指示区域外からの避難者に対する供与を打ち切る方針としないこと。


3.     政府は、子ども被災者支援法第9条が、移動先における住宅の確保に関する施策について必要な措置を講ずるものとすると定めていることに鑑み、福島県内外の避難者の避難先での住宅問題について、直ちに十分な実態調査を行い、仮設住宅等の供与期限の延長及び新たな立法措置を含む今後の住宅政策に反映させること。



以上


2014年11月19日水曜日

13条に基づく健康調査法骨子案ができました

子ども被災者支援議員連盟に設置されている「子ども被災者支援法13条に基づく新法検討の実務者会議」では、このほど、健康調査法案の骨子案を作成しました。2年前に超党派で参議院に提出した法案をその後の状況変化に合わせ、一部変更した内容です。今後、各党での協議を経て、議連総会に諮り、来年の通常国会に超党派で提出を目指しています。
+++

平成二十三年東京電力原子力事故に係る健康調査等事業の実施等に関する法律案 骨子(案)

第1 総則

1 目的
 この法律は、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故(以下「平成23年東京電力原子力事故」という。)により当該原子力発電所から放出された放射性物質(以下「事故由来放射性物質」という。)からの放射線による健康への影響に関し、周辺住民等の不安の解消及び周辺住民等自らの継続的な健康管理に寄与し、あわせて放射線が人の健康に与える影響に関する科学的知見の充実及び活用に資するため、健康調査等事業の実施及び健康調査の結果の施策への反映等について定めることを目的とすること。
2 定義等
(1) この法律において「周辺住民等」とは、次に掲げる者をいうこと。
① 平成23年3月11日において次のアからウまでの区域内に住所を有していた者(同日においてその者の胎児であった者を含む。)
ア 福島県の区域
イ 放射性物質汚染対処特別措置法により汚染状況重点調査地域に指定されたことがある区域
ウ その区域内の事故由来放射性物質による環境の汚染状態を勘案して(2)①の健康調査を行う必要があるものとして環境大臣が指定する区域
② 平成23年3月11日以降の政令で定める時期において①アからウまでの区域内に政令で定める期間在った者(当該時期において妊婦が当該区域内に政令で定める期間在った場合における当該期間その者の胎児であった者を含む。)
(2) この法律において「健康調査等事業」とは、次に掲げる事業をいうこと。
① 平成23年東京電力原子力事故に係る放射線による周辺住民等の健康への影響に関する調査(以下「健康調査」という。)並びにその経過及び結果の公表
② 周辺住民等の健康管理の拠点及び放射線が人の健康に与える影響に関する国際的に卓越した研究の拠点の整備
  (3) 市町村長は、当該市町村の区域内の一定の区域でその区域内の事故由来放射性物質による環境の汚染状態を勘案して健康調査を行う必要があると認められるものを、(1)①ウの区域として指定すべきことを環境大臣に対し要請することができること。

第2 健康調査等事業の実施

1 健康調査等事業の総合的実施
 国は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、健康調査等事業を総合的に実施するものとすること。
2 放射線量その他汚染の状況の調査
国は、健康調査等事業の適切な実施に資するため、平成23年3月11日以後における放射線量その他事故由来放射性物質による汚染の状況の調査について、きめ細かく、かつ、継続的に実施するものとすること。
3 基本方針
(1) 政府は、健康調査等事業の実施に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならないこと。
(2) 環境大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないこと。
(3) 環境大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、厚生労働大臣、原子力規制委員会、文部科学大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならないこと。
(4) 環境大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、(1)の市町村長の意見を聴くとともに、周辺住民等との協議の場の設置その他関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じ、それらの意見を尊重しなければならないこと。
4 健康調査の実施
(1) 福島県内の市町村の長及び第1(1)①イ又はウの区域をその区域に含む市町村の長は、周辺住民等のうち当該市町村の区域内に住所を有する者に対する健康調査((1)①・②の調査に限る。)を行うこと。

※ 市町村が地方自治法の規定に基づき一部事務組合を設けて行うことは可能。

(2) 環境大臣は、健康調査のうち次に掲げるものを行うこと。
① 周辺住民等のうち(1)以外の者に対する(1)①・②の調査
② (1)及び①による周辺住民等に対する健康調査の結果の分析
5 健康調査の内容
(1) 健康調査の内容は、対象となる者の同意を得て行われる次に掲げる調査とすること。
① 生涯にわたる定期的な健康診断(別に行われる健康診断の項目と重複する項目については、対象となる者が受診を希望しない場合には、当該別に行われる健康診断の結果の調査)
② 定期的な被ばく放射線量の測定及び推計(労働安全衛生法に基づき放射線業務に従事する労働者に対して行われる被ばく放射線量の測定その他の被ばく放射線量の測定が別に行われている場合にあっては、当該被ばく放射線量の測定の結果の調査)
③ ①及び②の結果の分析
(2) (1)①の健康診断には、甲状腺がんその他放射線が特に子どもの健康に与える影響として懸念される政令で定める疾病に関し必要な検診を含むものとすること。
6 実施計画
(1) (1)の市町村長及び環境大臣は、基本方針に基づき、健康調査の実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を定めなければならないこと。
(2) (1)の市町村長は、実施計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、環境大臣に協議し、その同意を得なければならないこと。この場合において、環境大臣は、同意をしようとするときは、厚生労働大臣、原子力規制委員会、文部科学大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならないこと。
(3) 環境大臣は、実施計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、厚生労働大臣、原子力規制委員会、文部科学大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならないこと。
7 健康診断等に関する記録の保存
 (1)の市町村長及び環境大臣は、(1)①・②の調査を行ったときは、当該調査に関する記録を保存しなければならないこと。
8 健康診断等の結果の通知等
(1) (1)の市町村長及び環境大臣は、(1)①・②の調査を受けた者に対し、当該調査の結果を通知しなければならないこと。
(2) (1)の市町村長は、政令で定めるところにより、環境大臣に対し、(1)①・②の調査の結果を報告しなければならないこと。
9 事務の委託
(1) (1)の市町村長及び環境大臣は、健康調査の実施に関する事務のうち政令で定めるものについては、大学その他の研究機関であって一定の要件(当該事務の実施に関し専門的な能力を有すること等)に該当するものとして環境大臣が指定するもの(以下「指定研究機関」という。)に委託することができること。
(2) 指定研究機関は、健康調査の実施に関する事務を委託されたときは、これらを一体的かつ効率的に行うものとすること。
(3) 指定研究機関は、(1)の市町村長及び環境大臣に対し、委託された健康調査の実施に関する事務について、報告を行うものとすること。
(4) (1)により委託された健康調査の実施に関する事務に従事した者は、正当な理由がなく、その実施に関して知り得た秘密を漏らしてはならないこと。
10 国及び都道府県の援助
(1) 環境大臣、厚生労働大臣、原子力規制委員会及び文部科学大臣は、(1)の市町村長に対し、健康調査の実施について必要な助言その他の援助を行うよう努めるものとすること。
(2) 都道府県は、(1)の市町村が行う健康調査の実施に関し、市町村相互間の連絡調整その他必要な援助を行うよう努めるものとすること。
11 資料の提出その他の協力
 (1)の市町村長及び環境大臣並びに指定研究機関は、健康調査の実施に関し必要があると認めるときは、国の行政機関及び地方公共団体の長、医療機関その他の関係者に対して資料の提出その他の必要な協力を求めることができること。
12 費用の負担等
(1) 健康調査の実施に要する費用は、国が負担すること。
(2) 国は、(1)の費用のうち、原子力事業者(東京電力)が原子力損害の賠償に関する法律の規定により賠償の責めに任ずべき損害に係る費用について、適切に損害賠償請求権を行使するものとすること。
13 健康調査の経過及び結果の公表
(1) 環境大臣及び(1)の市町村長は、定期的に、健康調査の経過及び結果((1)の市町村長にあっては、その行った健康調査に係るものに限る。)を公表するものとすること。
(2) (1)の公表に当たっては、個人情報の保護に留意しなければならないこと。
14 事務の区分
健康調査等の市町村が処理することとされている事務は、第一号法定受託事務とすること。
15 健康手帳の交付等
(1)の市町村長及び環境大臣は、周辺住民等自らの継続的な健康管理に寄与するため、その行う(1)①・②の調査の対象となる周辺住民等に対し、当該調査の結果等の必要な事項を記載する健康手帳の交付その他の措置を講ずるよう努めるものとすること。
16 健康管理及び研究の拠点整備
 国は、指定研究機関について、周辺住民等の健康管理の拠点及び放射線が人の健康に与える影響に関する国際的に卓越した研究の拠点として整備され、健康診断等に関する記録の管理、(1)③の結果の分析により得られた知見に基づく情報の提供、多数の研究機関の研究者等の能力の活用等が図られるよう、必要な措置を講ずるものとすること。

 

第3 健康調査の結果の施策への反映等

1 健康調査の結果の施策への反映
 国は、健康調査の結果に基づき、放射線による人体の障害の防止及び放射線被ばくをした者の医療等に関し、必要な施策を講ずるものとすること。この場合において、国は、放射線が人の健康に与える影響の評価及び必要な施策に関し、国民の意見を反映し、関係者相互間の情報及び意見の交換の促進を図るため、必要な措置を講ずるものとすること。
2 国際的な連携の確保
 国は、健康調査の結果の提供等による被ばく放射線量の限度に関する国際的な基準の確立への寄与その他の放射線による人体の障害の防止に関する国際的な連携の確保のために必要な措置を講ずるものとすること。

第4 罰則

 第2(4)に違反して秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処すること。

第5 施行期日等

1 施行期日
  この法律は、   から施行すること。
2 検討
 健康調査等事業の実施に関する事務を所管する国の行政組織については、この法律の施行後5年以内に、この法律の施行状況等を踏まえ、当該事務を公害に係る健康被害の予防に関する事務等と共に環境省が厚生労働省と共同で所管することとすることを含め検討が加えられ、その結果に基づき必要な措置が講ぜられるものとすること。
3 その他
福島復興再生特別措置法における健康管理調査に関する規定の改正その他所要の規定の整備を行うこと。

2014年11月18日火曜日

千葉県9市長連名で、環境省に要望書を提出

超党派の国会議員による子ども被災者支援議連が、
福山政務官に申し入れを行った同日、千葉県の9市長が
連名で環境省に要望書を提出しました。

千葉県9市長連名で、環境省に要望書を提出

26日に迫る第13回の専門家会議に向け、
拙速な中間とりまとめをしないよう求める声が、
各方面から環境省に寄せられています。


2014年11月14日金曜日

小宮山泰子副会長、川田龍平幹事長。が福山政務官と意見交換しました

本日、子ども被災者議連の小宮山泰子副会長、川田龍平幹事長が環境省を訪れ、過日の大臣申し入れについて、福山守環境大臣政務官に面談。福山政務官の発言は、事前に用意された下記の原稿を読み上げる形で行われ、その後15分ほど意見交換しました。政務官からは議連の申し入れを尊重する旨の発言はありましたが、主張は平行線のまま終わりました。議連は、引き続き子ども被災者支援法の理念を具現化するために、活動してまいります。
「第二条  2  被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が第八条第一項の支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない。」

+++(青字が申し入れ事項、赤字が福山政務官が読み上げた文章)+++

1.福島県内外の被災者の不安を受け止めることのできるよう、当議連が8月に申し入れた内容を中間報告に反映させること。

○ 8月の議連申し入れについては、
① 被災者からのヒアリングの実施、
② 議連が推薦した有識者のヒアリング結果の取りまとめへの反映
の2点と認識。
○ 専門家会議には、自ら被災するともに、被災された方への対応に当たった専門職の方からヒアリングを行っていただいたところ。
○ また、中間とりまとめのたたき台については、これまでの専門家会議での委員間の発言を踏まえて、作成しているが、こうした様々な有識者からのヒアリングについても、委員が議論の参考にしていると認識している。

2.住民の初期被ばく線量は、十分に評価されているとは言い難いので、食品の流通状況や、外部専門家からも指摘されている吸い込みによる被ばく影響、大気汚染物質に付着している放射性物質の拡散状況などについて、検討・評価を行うこと。

○ 放射性ヨウ素による事故初期の被ばくについては、現在あきらかになっている知見について、専門家会議で評価していただいている。
○ また、環境省の事業においても、平成24年度から現在に至るまで、事故直後の内部被ばく線量の推計に取り組んでいるところ。
○ 今後、国際機関による推計の報告や、専門家会議の意見を踏まえて、必要な対応を講じてまいりたい。

3.福島県健康調査で見出された甲状腺がんの状況は、悪性度が高く手術は不可避であったとされている。一方、専門家会議では、「過剰診断」のみの議論が行われており、甲状腺がんの悪性度に関しての議論が行われていない。これについて、鈴木眞一医師ら、広く関係者のからも聞き取りを行い検討すること。

○ 専門家会議には、甲状腺がんの疫学や経過について豊富な知見を有する専門家にも、ご参画いただいているところ。
○ リンパ節転移や遠隔転移の頻度が高いこと等、これまでに明らかになっている若年者の甲状腺がんの特徴を踏まえて、甲状腺検査の重要性について、丁寧な議論を行っていただいているものと認識。


4.県外の甲状腺がん検診については、当事者の意見を聞くことが大切であるという意見が委員からも出ている。検診の必要性を強く求めて政策提言を行い、先行して自主的な検診を開始している住民団体等の意見も聴取して参考として取り入れること。

○ 今般の原発事故に係る住民の健康管理のあり方については、医学の専門家のご意見を聞きつつ進めることが重要と認識。
○ 専門家会議では、県民健康調査「甲状腺検査」の実施状況等を踏まえ、福島県及び近隣県における健康管理のあり方について、とりまとめていただくこととしている。

5.この報告を以って議論を収束させることなく、子ども被災者支援法の理念に則り、現実に即応しながら、被災者の長期的な健康支援のための継続的な検討を行うこと。水俣病、アスベスト、薬害などの歴史的教訓を踏まえ、被爆者援護法のような総合的な保健・医療・福祉制度を確立する必要性を強く提起する。

○原発事故後の健康管理は中長期的な課題と考えている。
○今般の専門家会議においては、これまでに明らかになっている知見をもとに、中間的なとりまとめを行っているものと認識。

○環境省としては、今後もデータの収集や評価に努め、必要な検討や対応を行ってまいりたい。