本日、子ども被災者議連の小宮山泰子副会長、川田龍平幹事長が環境省を訪れ、過日の大臣申し入れについて、福山守環境大臣政務官に面談。福山政務官の発言は、事前に用意された下記の原稿を読み上げる形で行われ、その後15分ほど意見交換しました。政務官からは議連の申し入れを尊重する旨の発言はありましたが、主張は平行線のまま終わりました。議連は、引き続き子ども被災者支援法の理念を具現化するために、活動してまいります。
「第二条 2 被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が第八条第一項の支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない。」
+++(青字が申し入れ事項、赤字が福山政務官が読み上げた文章)+++
1.福島県内外の被災者の不安を受け止めることのできるよう、当議連が8月に申し入れた内容を中間報告に反映させること。
○ 8月の議連申し入れについては、
① 被災者からのヒアリングの実施、
② 議連が推薦した有識者のヒアリング結果の取りまとめへの反映
の2点と認識。
○ 専門家会議には、自ら被災するともに、被災された方への対応に当たった専門職の方からヒアリングを行っていただいたところ。
○ また、中間とりまとめのたたき台については、これまでの専門家会議での委員間の発言を踏まえて、作成しているが、こうした様々な有識者からのヒアリングについても、委員が議論の参考にしていると認識している。
2.住民の初期被ばく線量は、十分に評価されているとは言い難いので、食品の流通状況や、外部専門家からも指摘されている吸い込みによる被ばく影響、大気汚染物質に付着している放射性物質の拡散状況などについて、検討・評価を行うこと。
○ 放射性ヨウ素による事故初期の被ばくについては、現在あきらかになっている知見について、専門家会議で評価していただいている。
○ また、環境省の事業においても、平成24年度から現在に至るまで、事故直後の内部被ばく線量の推計に取り組んでいるところ。
○ 今後、国際機関による推計の報告や、専門家会議の意見を踏まえて、必要な対応を講じてまいりたい。
3.福島県健康調査で見出された甲状腺がんの状況は、悪性度が高く手術は不可避であったとされている。一方、専門家会議では、「過剰診断」のみの議論が行われており、甲状腺がんの悪性度に関しての議論が行われていない。これについて、鈴木眞一医師ら、広く関係者のからも聞き取りを行い検討すること。
○ 専門家会議には、甲状腺がんの疫学や経過について豊富な知見を有する専門家にも、ご参画いただいているところ。
○ リンパ節転移や遠隔転移の頻度が高いこと等、これまでに明らかになっている若年者の甲状腺がんの特徴を踏まえて、甲状腺検査の重要性について、丁寧な議論を行っていただいているものと認識。
4.県外の甲状腺がん検診については、当事者の意見を聞くことが大切であるという意見が委員からも出ている。検診の必要性を強く求めて政策提言を行い、先行して自主的な検診を開始している住民団体等の意見も聴取して参考として取り入れること。
○ 今般の原発事故に係る住民の健康管理のあり方については、医学の専門家のご意見を聞きつつ進めることが重要と認識。
○ 専門家会議では、県民健康調査「甲状腺検査」の実施状況等を踏まえ、福島県及び近隣県における健康管理のあり方について、とりまとめていただくこととしている。
5.この報告を以って議論を収束させることなく、子ども被災者支援法の理念に則り、現実に即応しながら、被災者の長期的な健康支援のための継続的な検討を行うこと。水俣病、アスベスト、薬害などの歴史的教訓を踏まえ、被爆者援護法のような総合的な保健・医療・福祉制度を確立する必要性を強く提起する。
○原発事故後の健康管理は中長期的な課題と考えている。
○今般の専門家会議においては、これまでに明らかになっている知見をもとに、中間的なとりまとめを行っているものと認識。
○環境省としては、今後もデータの収集や評価に努め、必要な検討や対応を行ってまいりたい。
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