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ブログ運営:「子ども・被災者支援法」発議者の1人、川田龍平参議院議員事務所

2013年2月12日火曜日

子ども・被災者支援議連「福島県・双葉地方町村会ヒアリング」報告1/2

2 月7日、衆議院議員会館において、子ども・被災者支援議員連盟による「福島県・双葉町村会からのヒアリングを開催した。ここでは、その前半部分を報告する。


・荒井聡会長挨拶

 1年半前、3.11以降、原子力・原発関連の関連法案で30本くらい改正したが、その中で最も皆さんの期待の高いのが、子ども・被災者支援法である。だが、残念ながら子ども・被災者支援法は議員立法であり、もちろん超党派で、ここにおられる谷岡さんや川田くんが一生懸命がんばってくれた法案だが、この法案は議員立法でつくったために、実施計画はこれから政府が改めてつくるという構図になっている。

 そのために、役人をやっていた私から言えば、なかなか議員立法に熱をいれてやっていくというのは、霞ヶ関の伝統にないものだから、たびたび遅れているということと、もう一つ去年の11月の解散直前で相当煮詰まって、もうちょっとのところ、もう一押しすれば実施計画の概要がだいたい決まったという状況にあったが、残念ながら解散総選挙にいたってしまって、そのままになってしまって、またゼロからやり直しという形になってしまったのは、被災者の皆さんには大変申し訳なく思っている。私たちも超党派の議員連盟なので、与党も野党もいるので、それぞれの立場で実施計画づくりを具体論にするためにがんばってまいりたい。

 個人的なことだが、選挙に入ったのが12月4日、この公示日の直前の3日に、環境省のある大幹部から私に電話があった。それは、以前に私は現地を訪問してに、」「ある方から、、ガンマカメラというのがあるということを聞かされた。私はガンマカメラを調べたら、経産省がその中身をよく知っており、ガンマカメラは除染に使えるのではないかということで、環境省にこの具体的な調査をしてくれと話をした。その結果、12月4日の日に出ました。その時、私は選挙戦で走り回っていた、街宣車の中で聞いたが、4〜5台入れることにした、と。そういう話が12月4日にあり、近々その実施状況、どのように使っているかも含めて、是非見てみたいなと思った。放射能の恐ろしさは、目に見えないことだ。また除染の難しさも目に見えないからだ。それが目に見えるように可視化すると、そうとうないろんなものが違ってくるのではないか、その技術は日本は持っているので、是非そういう技術を活用していくということをも、この議員連盟の中でも進めていきたいなと思っている次第だ。

 今日は、それほどたくさんの議員が押しかけているわけではないが、皆さん熱心な議員連盟の活動家なので、是非率直なご意見を聞かせていただきたい。また、政府側もいますので、疑問的は是非政府側からもお聞かせいただきたい。どうもありがとうございます。


・川田龍平事務局長

 ありがとうございます。今日は衆議院予算委員会があり、なかなか来られない議員がたくさんおりますが、今この議員連盟には90名入っていただいており、今後も議連メンバーを増やして、積極的に活動をしていきたいと思っている。よろしくお願いいたします。それでは、早速、双葉地方町村会から浪江町長の馬場さんに早速お話を聞かせていただきたく、よろしくお願いいたします。

・馬場有浪江町長

 ただいま、ご紹介をいただきました、福島県双葉郡浪江町の町長をしております、馬場有と申します。会長が、所要があり来られないということで、私が代理として、双葉地方の町村会の現状、あるいは考えていること、そして要望についてお話しをさせていただきたいと考えております。

 まずは、双葉地方の現状についてお知らせしたい。一昨年の東日本大震災から、今日でなんと700日目だ。本当に長いですよ。700日というのは、私もこの事故から2〜3日で帰れるだろうと思ったけれど、もうそれが700日目になった。残念ながら、私どもの双葉地方の八町村あるが、今区域を見直しして、自由に出入りできるようになっている町村と、これから区域の見直しをして、中に自由に出入りをして、地震で損壊された家のまわりを後片付けしたりという状況にこれからなってくる。本当に復旧という言葉が全く全然ないということを、まず先生方に認識していただきたい。

 この700日目を経過して、現在、県内外に7万人の郡民が避難を余儀なくされている。その7万人の中に、福島県内への避難者が約5万2千人。この5万2千人以外にも、1万8千人の方が県外に避難なさっている。この避難が非常に長期化して、広範囲に及んでおり、北は北海道から南は沖繩、あるいは外国のアメリカに避難している方もいる。避難者は厳しい生活環境により、母子避難による二重の生活、高齢者世帯の孤立化等、さまざまな問題を抱えており、時間の経過とともに、精神的・経済的負担の増大、コミュニティが希薄している状況にある。賠償、除染、区域の見直し、町外コミュニティ、健康管理、教育、福祉、医療等それぞれ多くの課題を抱えている。避難元の町村においては、人材が不足している。財源確保をしなければならないというのが緊急の課題。本当に歳入が全く見込めない。避難者の生活実態の把握、情報提供等についての課題も抱えている。

 子ども・被災者支援法に関すること、まず法案に関すること、配布資料を元に条文ごとに説明したい。

------------------------------------- 以下資料 ------------------------------------------------
「子ども・被災者支援法に関する課題、要望事項」双葉地方町村会

 子ども・被災者支援法の施行にあたっては、支援施策の内容が県や双葉郡民の実情に沿ったものとなるよう、被災者や町村の意向を踏まえ、事業執行の係る必要財源を確実に措置し、早期に事業展開を図ること。

 住宅の確保、移動・帰還の支援、健康・医療の確保等、以下の項目について必要な措置を求める。

【法案に関すること】

○支援対象地域の指定にあたっては、年間1ミリシーベルトを越える地域を支援対象として指定すること。(5条)

○放射線量の多寡にこだわって、支援対象地域の範囲が短期間のうちに変更・縮小することがないようにすること。

○「被災者」は、支援対象地域に居住していたことのみを要件とするものではなく、今後、新たに支援対象地域に居住するものやこれから生まれてくる「被災者」の子どもについても含めること。(2条)
 ・胎児、子どもは生涯対象とすること。
 ・これから生まれてくる子ども達に対しての健康、医療保障を行うこと。

○法律で示して居る施策について、具体的な支援策を個別法案や政令等で定め、実効性を伴うものとすること。(4条)


【復旧・復興に関すること】

○放射線量の数値が一定程度低下したとしても、支援の必要性が失われるものではない。抜本的な除染が進み、生活と環境の原状回復が実現されるまで、長期的かつ継続的な支援を実現すること。(2条)

○迅速かつ丁寧な除染とインフラ復旧・交通網の復旧整備を行うこと。(7.9.10条)

○支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択は、被災者の自己決定を尊重し、いずれの場合にも適切な支援を行うこと。(2条)

○帰還のための交通費・転居費用の助成を行うこと。(10条)

○高速道路の無料化を帰還できるまで行うこと(自主避難者も含めて)。(9.10.2条)

○仮設住宅、借上住宅等の供与時間の延長、住み替えへの柔軟な対応を行うこと。

○公営住宅の提供について、無償利用期間の延長を実施すること。

○民間住宅の賃貸に関して家賃補助を行うこと。

○復興住宅を早期に整備すること。

○復興住宅の家賃については、一定期間無料とすること。

○避難(帰還)先住居の確保を行うこと。


【健康に関すること】

○県民健康管理調査に代わり、国を実施主体とする被災者向け定期的な検査を生涯実施すること。被災者の医療費、健康診断、子どもの生涯に渡る健康診断に係る経費は無料とすること。(3.4.13条)

○健康管理に関する施策は、「予防原則・治療」に基づき、疾病の未然防止と早期発見を目的とすること。(2.13.15条)

○甲状腺がん以外の疾病も想定し、検診項目の見直しを行うこと。

○被ばくと疾病の因果関係の立証責任は、あくまでも原子力政策を推進してきた国にあることを明記した上で、「被ばく手帳」又は「健康手帳」を交付し、行動記録、健診記録、被ばく線量の評価値、健康状態等を記載した健康に関する情報の本人保管と、定期健康診断、通院・医療行為の無償化、社会保障などを保証すること。

○避難長期化に伴う心のケア、孤立化を防ぐための見守り対策の充実を図ること。(2.8.9条)
特に、母子家庭、震災関連死対策(双葉郡500人以上)、障がい者の外出支援を。

○放射能汚染や被ばく低減などに関して、航空機モニタリングやモニタリングポストのみならず歩行サーベイによる詳細な放射能汚染マップを作るなど、きめ細かい情報を提供すること。

○避難者が被ばく量を把握できるような仕組みをつくること。


【生活に関すること】

○長期雇用の創出や再就職先の確保等に向けた就労支援を行うこと。(9.10条)

○避難(帰還)先での就労支援を行うこと。

○避難者支援を行う受入自治体や民間団体等が実施する支援事業に対する継続的な財政支援を行うこと。(4条)
具体的には、福祉の入所施設の環境改善や人材の確保が今問題になっている。

○避難により、別々に暮らす家族に会うための移動費用の補助を行うこと。
現状は、震災前の世帯から2〜3割世帯が増えている。バラバラになっている。

○住民票を移さない場合でも、同様の行政サービスが受けられるようにすること。
特に知的障がい者等の賠償請求支援についても行政サービスが受けられるように。


【福祉に関すること】

○避難する子どもたちが移動する際、編入制度の柔軟対応、補助学習などの支援、カウンセリング対応などを行うこと。

○小学生以下の児童の広域的な一時預かり施設を整備すること。(8〜11条)

○町外コミュニティにおいて、児童・障がい者・高齢者などの住民の福祉向上の中核的な役割を担う多機能型福祉センターを設置すること。

○自治事務以外(社会福祉協議会の事務など)の事務を特例化すること。

○双葉地方の町村の障がい者は、避難先の市町村でも高速道路無料化の申請を受付可能にすること。

○学校給食の安全を確保すること。(8条)

○支援対象地域の学校・学級単位での放射線量の低い地域に移動し授業を受ける体制を整えること。

○自然体験活動等の費用助成や民間保養プログラムへの支援を通じて保養機会を提供すること。

○子どもの屋内運動等の支援を行うこと。


※基本方針の策定・変更及び施策実施に関しては、被災者、避難者、支援団体、関係自治体の意見を継続的に吸い上げ反映させること。
------------------------------以上資料----------------------------------------


・谷岡郁子幹事長

補正と25年度予算にどのようなものが用意されているのか。

・財務省

 考え方を説明する。24年度補正、25年度当初予算、復興の関係、新聞報道されているが、補正予算については1.6兆円の財源を確保し、3000億円の事業を行うこととしている。25年度は4.4兆円で、3.7兆円の事業を行う。個々の事業は個々の省庁より。

・復興庁

 冒頭、3点、法案に関することについてご要望、ご指摘があったが、まず支援対象地域の指定の話。1ミリというご意見が一方であるのはよく承知しており、被災者の二十数回にわたる我々の対面、あるいは集会での場でもそういう話はいただいている。その一方で、風評の関係、線量の中でも1ミリギリギリの所にある地域についてどうするかということについて、なかなか専門的な分野でもあるので、知見が充分整理できていない。支援対象地域を含む基本方針については、さまざまなご意見を踏まえて、また専門的な検討も今後すすめていきたいと思っているが、下の復旧の施策に関係するが、基本方針ができるかできないかに関わらず、25年度予算について、各省において必要な施策を盛り込んだつもりだ。詳細は各省から説明がある。基本方針と分離して施策をすすめたいと思っている。

 2点目の支援対象地域が短期間のうちに変更縮小しないようにということについては、そのようにしたいと思う。自治体の方からも、法律は毎年見直すこととなっているが、例えば1ミリなら1ミリをちょっと瞬間的に下回ったら対象外とするのでは、現場で混乱をもたらすし、被災者にとっても非常に分かりにくいので、そういうことのないようにしたいと思っている。

 被災者の定義に関して、これは難しい問題で、支援対象地域と同じく基本方針の中で定めていくというふうに考えている。

 最後に、法律で示している施策について、具体的な支援策を個別法や政令で定めるということだが、現在福島特措法の一部改正案を検討しており、詳細は検討中だが、長期避難者の交付金の創設を盛り込む法改正を考えている。ただ一方で、法律を改正しなくても予算措置でできるものが大半なので、弾力的あるいは被災者の方にきめ細かく対応するという意味で、予算措置で可能な限り対応していきたいと思っている。除染以降は環境省に。


・谷岡幹事長

 基本方針をつくるメドをいつ頃に設定しているのか。各省庁からというが、先ほど浪江町長は各条に対応する形で、しっかりと具体的なことを言われたのだから、今までの個別なことで対応できますだったら、こんな法律できていないんで、そういうまやかし的なことをおっしゃらないでしっかりご説明お願いしたい。

・復興庁

 メドだが、今大臣、副大臣と相談中。きちっと中で整理をして、メドについてはお話申し上げたい。現時点では何月というのは明示できないのはご了承いただきたい。施策の話だが、復興庁で説明できるところはもちろんしていくが、除染についてせっかく環境省がきておるので。

・川田事務局長

 基本方針について、民主党政権の時にかなり検討はすすんでいたと思うが、森大臣からは、ゼロベースだと聞いたんだが、それはどうなのだ。今まで検討したものは、さらに練り直していくのか、ゼロからスタートしていくのか、どちらなのか。

・復興庁

 この子ども・被災者支援法は当然超党派でつくられたもので、自民党の森先生も提案者に入っているので、それは継続していく。森先生がおっしゃっているのは、基本方針という形ができていなかった、まだたたき台というのがお示しできていなかった、ということをおそらくおっしゃっているんじゃないかと思う。そのたたき台を何か改善していくということではなくて、そこはゼロだという意味だと私は解釈している。超党派、この議連の勉強会でご指摘いただいたこと、あるいは、民主党の政調PTの下のWTで十二分にご指摘いただいたことは、当然その議論の一番原点になっているので、それを踏まえている。

・徳永エリ議員

 今の復興庁さんのお話だと、私たちはたしか1月の末くらいまでに基本方針を出すということだったので、今のお話だといつになるか分からないという話じゃなくて、もともとも目途であった1月の末くらいまでに、何とかなるのではないか。

・復興庁

 当初予算のスケジュールが国会で2月末とかそういう状況になるとしたら、スケジュールとしても若干ずれこむというのは、作業上整理上ご容赦いただきたい。

・川田事務局長

 基本方針ができていないから、予算にも盛り込めないという話なんですよ。基本方針を先につくってもらわないことには、予算をいつまでも待っていたら、また来年度の予算に食い込んでしまう。

・谷岡幹事長

 財務省さんは、復興庁から子ども・被災者支援法にかかる予算については、要請が出ていないとおっしゃっている。

・財務省

 この前勉強会にお呼びいただいた時にお話したと思うが、要望については事項要求は出ていましたけど、財政当局としても申し上げれば政府としての方針がまとまっていないところで、それに関連する予算というのを盛り込むことはできません、ということをご説明申し上げたのであって、要求が出てないとかそういったことを私は申し上げているわけではない。

・川田事務局長

 基本方針が早く決まらないことには、他の施策も個別のものについても、復興庁がすすめないことにはすすまないということがあるので、復興庁で3月までにメドつけていただけないか。出せない理由は何か。

・復興庁

 先ほど少し申し上げたが、基本方針の肝になるところは、支援対象地域の「一定の基準」という線量基準。数字という意味で、いろいろなご意見があって、これは民主党政権の時からもそうだったが、なかなか集約しきれない部分がある。それとは別に、繰り返しだが、施策というのは基本方針ができないと施策はできないということはなくて、対象地域もその施策の必要に応じて、例えば福島県の一部だけに必要な施策については、そこを手厚くするということだし、少し広めに必要な施策については、広めに対応するということで、そこはそういう方向できちっと施策を打つ、ということで、根本大臣からもそれをしっかり説明するようにと言われているので、そういう方針でやっていきたいと思っている。

・川田事務局長

 それを書いたらいい。それを書いたら基本方針ができるのではないか。出せない理由ではない。

・復興庁

 基本方針の中では、支援対象地域に関する事項となっているので、法律の条文解釈上、ある一定の何ミリという数字を含めて記載するものと思っているので、そこのところが抜けるとなると、法律の肝の部分が抜けてしまうので、できたというふうには言えない。

・荒井広幸会長代理

 役所の皆さん、福島県にも馬場町長さんにもお願いなのだが、皆さんお手元の資料で、福島県からは1ミリとか20ミリという話しは、なかった。でも馬場町長さんはじめ、双葉郡は1ミリということを明確に言っている。だから、福島県としてのスタンスが申し訳ないけれども、この席は知事が出てこないとだめなのだ。そして、福島県の中にもいろいろ意見があって集約しているから時間がかかるとか、そういう話をしないと、まずすすまない、だから復興庁で根本大臣がいくら力んでみたって決まらない。むしろ、これはもう地元の問題と政治的な判断をしなければいけないというのが、この法律をつくる時のそもそもの立法者の皆さんいらっしゃるが、そこが最大の課題で、実はファジーにしたんだから、これをやらなければすすまないということだ。いよいよそこにぶつかっているということなのだ。県内でも20ミリでは困るという人も中にはいるわけだから、県は本来は知事が来て、やっぱり議員と役所とそういうところの雰囲気も聞かないと、東京だけが何もしてない、霞が関がしてない、永田町がしてないというのではない、もう。お互いに腹を割って決めていかないといけない段階に来ている。

 そういうところを、議連の先生方にはご一緒になっていただいて、本当にこれを線引きすれば、去年は、水俣病、これ線引きの問題、ピカドンの長崎の問題、全部線引きの問題、国の基準の問題で全部国に負けている、原告は敗訴している。同じことを繰り返さないためにどうするかというところにきているということなのだから、財務省も言っていることは分かるけれども、きわめて深刻なことなのだ。国の方針が出ないからできないばかり言っていたんでは仕方がない。もちろん国の予算措置でやったところはあると思うが、それもやっぱり我々もそろそろ叱られるのを覚悟で、あるいは喜ばれることもあるかもしれないが、決断していかなかったら、それこそ町長さん方困るのではないか。どうなんですか町長さん、率直なところ。そういうところ、みんなに伝わってこない。我々は住んでいるから分かるのだが。

・馬場町長

 正直な話申し上げて、この原発の事故は、風化されているというふうに今、認識している。もう本当にどこ行っても、原発終わったでしょというような感覚で、おっしゃる方が非常に多くなっている。そうじゃない。先ほど冒頭に挨拶しましたように、700日経過しても戻れない。戻れないというのは放射能なのだ。放射能さえやっつければ、どうにでもこうにでもなる。ですから、今荒井先生がおっしゃったように、真剣にスピード感をもってことにあたっていただかないと、私ども本当に時間ばかり経過して、年齢ばかりくっちゃう、はっきり申し上げて。本当に先ほど話ました、災害関連死、双葉郡で400人を越している。そういう状況なのだ。したがってそういうことを、今荒井先生おっしゃったことをよろしくお願い申し上げたいと考えている。

・川田事務局長

 復興庁の基本方針については、政治的判断が必要だということであるのであれば、これは議連でまとめるのか、それとも大臣に出していただくのかを早く決めないといけない。そこはこれからつめていきたいと思う。

 次に【復旧・復興に関すること】について。

・復興庁
 
 ここに書いてあることはまさにその通りというふうに考えている。実際に生活がきちっとできて元の場所に戻っていただけるということを目標に今回の補正、当初予算でも新規の事業を盛り込んでいる。そういう意味で、これはこのように努力したいと思っている。

・環境省

 ご指摘の通り、除染については、福島の復興にとってきわめて重要なものと認識しており、国会で成立いただいた放射性物質汚染対処特措法に基づいて、それぞれの町村とご相談しながら計画をつくり、国が直轄でやる地域、それから市町村で除染を実施していただき、それに対して国が100%財政措置をするという二つのスキームがあるが、いずれにしても除染を迅速かつ丁寧に適正にすすめていくべく、今後ともせいいっぱいがんばっていきたいと思っている。

・川田事務局長:進捗状況は。

・環境省

 まず、放射性物質汚染対処特措法に基づいて国が直轄で除染を行う地域については、先ほどご説明いただきました浪江町も含めて現在対象11のうち9の地域で計画を地元の町村ともご相談させていただいてつくっている。順次除染作業に今入りつつある、あるいはすすみつつあるという状況だ。

 それからもう一つの福島県内でも、それ以外の対象の町村については40あるが、それについては、各町村において除染の計画をつくっていただき、順次除染作業を市町村にすすめていただき、それに対して国の方から、県と通じて100%財政措置および技術的な措置をすすめているところで、引き続き、地元の方々とのコミュニケーションをしっかりとりながら、進めてまいりたいと考えている。


・国交省

 道路局高速道路課。自主避難者に対する高速道路の無料化の移動支援について説明する。これまでも根強い要望をいただいている。前大臣も積極的に検討していきたいというコメントを出していた通り、法律に基づく施策の一環として、鋭意検討を行っているところだ。ただ、支援の実施については、子ども・被災者支援法に基づく各種施策の一環として行うということがあるので、他の施策、政府全体としては基本方針の策定など、そのあたりの議論の動向を踏まえて検討する必要がある。

 自主避難者の方の特定、どの方が自主避難者の方かというのを判定するのは難しいので、実際に証明書を発行してもらうか、そういったいろいろな事務的な課題もあるので、法律に基づく取りまとめである復興庁だとか、福島県等といろいろ相談しながら。

・川田事務局長

 補正や本予算に入っているのか。

・国交省

 補正や本予算について個別要求としてはあげていないが、ただ財源については国交省の交付金の財源などそういったところも含めて検討しており、当然必要な財源については、国交省の方で用意して、高速道路会社の減収を補填していく予定をしている。

・川田事務局長

 基本方針がなくても大臣がやると言えばできるのか。

・国交省

 基本方針ができないと、対象地域をどうするかという話に関わってくる。どういうエリアを対象としてスタートするのかというところをみたうえで。

・谷岡幹事長

 先ほど復興庁さんは、基本方針のあるなしに関わらず各省庁が必要なことをやっていくとおっしゃり、国交省は基本方針がなくてやれるかどうか分からないとおっしゃっている。これで大臣間でおっしゃっていることが全然違うと思うが、そこのところの調整はやってないのか。

・国交省

 そこは復興庁さんとも当然相談しながら対応はしているところだ。

・荒井聡会長

 今、話を聞いていて、一番問題なのは、対象地域の指定がまだできていないし、その見通しもたっていないということ。これは誰かどこかでばーんと決めないとだめなんで、この議連としては1ミリシーベルトという形でずっと議論しているので、私たちはそう思っているけれど、それでだめだとという論証を政府側からしっかり出すなら出してもらいたい。

 1ミリシーベルトというのは、根拠ないかというと、除染の目標が1ミリシーベルトだ。1ミリシーベルトを目標に除染をしていくということを除染の大方針として打ち出しているわけだから、1ミリシーベルトというのは絶対根拠がないというわけではない。むしろ、大きな目標がある。それに対する反論ということがあるのならば、ちゃんと政府側は回答しなければならない、というふうに私は思う。

 おそらくこれは財政的な限界から1ミリまでもっていくと、これだけ広い面積でこれだけの財政需要がかかりますということを心配しているのだと思うが、それを心配するのだったら、その具体的な1ミリシーベルトにするとここまでのこれだけの財政需要が生じるということを計算しないとだめだ。そういう数字的な数量的な論拠もなしに、広がっちゃうから云々かんぬんでは、反論になっていない。1ミリシーベルトまでの中で、高いところではこれだけの手厚い対策、低いところではここまでの対策にしますというような、段階的な対策だっていいのだから、そこは知恵の出し方だ。今、双葉の町長さんから、これだけ具体的な要望というのが出たわけだから、この具体的な要望を積算すれば、数字は出てくる、財政需要は出てくる。それをもって、しっかりと具体的な議論をしないとだめだ、政府なんだから。

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