[子ども・被災者支援法って何?] [ご意見投稿フォーム]


ブログ運営:「子ども・被災者支援法」発議者の1人、川田龍平参議院議員事務所

2013年2月21日木曜日

2月19日参議院予算委員会にて子ども・被災者支援法質疑

2月19日参議院予算委員会にて、魚住裕一郎議員、森ゆうこ議員、谷岡郁子議員、吉田忠智議員が、子ども・被災者支援法について質疑致しましたので、議事速報をお伝え致します。

○魚住裕一郎君 
 昨年の六月に子ども・被災者生活支援法というのがこの参議院の議員立法により成立したわけでございます。これは全会派一致で、森先生が、また我が党も一生懸命やらせていただいたところであるわけでございますが、この法律に基づく基本方針がいまだ定められておりません。
 これはプログラム法でございますので、具体的にどういう施策を盛り込むかについて政府の裁量に委ねられているところでございますが、もちろん、この六月にできて、政権交代は十二月ですから、なかなか今日に至った責任は前政権にもあると思いますが、政権交代を果たした以上、現内閣においても一日も早い対応が要請されるというところでございますが、この基本方針の策定と具体的施策の実施に向けた政府の決意をお伺いをしたいと思います。

○国務大臣(根本匠君) お答えいたします。
 政府におきましては、これまでも福島県と協力して、子供の健康管理調査あるいは自然体験活動の機会の提供などに取り組んでまいりました。私も昨年末復興大臣に就任をいたしましたが、この原発事故で被災した子供を始めとする住民の皆様の生活を守り支えていくことは大変本当に重要だと思っております。
 その認識の上に立って、平成二十五年度予算案でも必要な施策について充実を図ってまいりました。また、この施策は関係省庁に多岐にまたがっておりますので、私から浜田復興副大臣を座長とする関係省庁会議、これを立ち上げるように指示して、二月十三日に、それまでもいろんな議論をしておりますが、第一回会合を開催したところであります。
 基本方針の策定に当たっては、これまで様々な御意見いただいてきております。この中にはやはり専門的な検討が必要なものもありますし、様々な意見の整理や専門的な検討、これを十分に踏まえて行っていく必要があると思っております。その結果を踏まえて、政府として基本方針を策定してまいりたいと思います。

○魚住裕一郎君 今、大臣の御答弁の中に、福島のお子さんの健康調査という言葉が頭の方にございました。
 先月の十九日でございますが、宮城県に行ってまいりました。御案内のとおり公明党は、被災三県に国会議員、担当を決めまして、月一回伺うようにと。私と同僚の竹谷さんと一緒に宮城の南側ですね、白石市越河という地域に行って、その公民館で地域の自治会長とか小中学校の父母会長、懇談してまいりました。
 県境ですよ、県境。福島県では国もお金を入れて、基金にお金を入れて、そこで福島の県民健康管理調査事業というのをやっている。本当に二百二万人、全県民に対して、被曝線量の把握であるとかあるいは甲状腺超音波検査、健康診査、心の健康度云々というふうに事業が展開されている。県境を越えるとないんですよ。
 今の子ども・被災者生活支援法、これで適用すればいいですよ。そうじゃなくても、現在これが基本方針決められていなくても、福島では国の予算も入れて、そして具体的に健康調査をやってもらっている。そこの越河のお母さんは本当に、何で県境で適用が違うんだと、扱いが、そもそも飛んできた線量の濃さといいますか濃度の高さによって決まるんじゃないのと、行政の区画によって違うんですかと。答えられませんでしたね。
 これやっぱり何とかしていかないと、国民、また子供の将来懸かって、もうその地域、もちろん風評被害とか配慮しなきゃいけません。だけど、やはり健康がまず第一だというふうな観点でしっかり取り組んでいく必要があろうかと思いますが、できるところから是非やっていただきたいと思っておりますが、総理、御見解いかがでございましょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの委員の御指摘の点は極めて重要なポイントだというふうに我々も考えております。
 福島の近隣県においては、宮城県も含めて、事故後、それぞれの県が主体となって専門家から成る有識者会議が開催をされて、健康影響が観察できるレベルでないことから、科学的には特段の健康管理は必要ないとの結論が出ているというふうに承知をしておりますが、しかし一方、福島県の近隣県の住民の中に放射性物質の汚染に対する大きな健康不安を持つ方がいるということは認識をしております。それは当然のお気持ちなんだろうと、このように思います。
 国としては、こうした福島県外の住民の方々の健康不安を解消できるように、まず放射線による健康影響等に関する国の統一的な分析結果の提供、そして住民から直接相談を受ける保健福祉医療関係者等に対する放射線による健康影響等に関する研修、そしてまた住民向けの放射線の健康影響に関するセミナーの開催といった対策を実施しているところでございますが、今後とも正確な情報と知識を丁寧に提供し、国の責任として健康不安の解消にしっかりと努めていきたいと思います。

○魚住裕一郎君 是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。
----------------------------------------------------------------------------

○森ゆうこ君 私が今、根本大臣にこういう質問をしたのは、これは資料を配っておりませんけれども、これは自民党の福島県連のマニフェストです。これは、私は自由民主党福島県連のホームページからダウンロードをしてまいりました。これを見ますと、これうちのマニフェストかなと思いました。「脱原発」「県内の原発十基すべて廃炉を実現します。」。先般の総選挙で私たちは脱原発を掲げて戦ったんですが、これ自由民主党でさえこういうマニフェストを地域では配っていたということですから、なかなかこれが争点にならなかったのかなと改めて思いました。
 ただね、うまいんですよ、これ。「県内の原発十基すべて廃炉を実現します。」、こう書いてあるんです。でも、いつかということは書いていないんですね。だから、維新の会でしたっけ、が言っていたフェードアウトということなのかなとか、いろいろ思いましたけれども、分かりました。
 福島県民の皆さんがどう御判断されるのかということでお聞きをしたところでございますが、根本大臣、子ども・被災者支援法、これが議員立法で成立をいたしました。私は、緊急の課題に対応するのがこの補正予算だとすれば、その子ども・被災者支援法に基づく被災者、特に子供さんたちの支援にこそ予算が付けられるべきと考えておりますけれども、この支援法に基づく予算が補正に計上されていないのはなぜでしょうか。そして、この被災者支援法には基本方針を定めなければならないというふうになっておりますけれども、それはいつ、誰がどのように決定するのでしょうか、端的にお答えください。

○国務大臣(根本匠君) お答えいたします。
 子供や妊婦を始めとする被災者の健康不安あるいは生活上の負担を軽減する、これは私は大変重要な課題だと思っております。子ども・被災者支援法の趣旨を踏まえて推進していきたいと思います。
 委員御指摘の補正予算も含めた各種施策、これはこれまでもリフレッシュ・キャンプ、あるいは就学支援のために授業料を減免する自治体への費用交付、あるいは福島県民への健康管理調査の実施、様々な施策を講じてきているところですが、更なる支援策の充実に向けて関係省庁と連携して努めていきたいと思います。
 今回の補正予算に計上した被災者支援施策は緊急に実施すべき一部の施策を計上したものであって、広く様々な課題に対応するための施策については平成二十三年度第三次補正予算以降措置してきた施策、これは基金で積んであるものもありますから、これを加えて、今後国会に提出する平成二十五年度予算に盛り込んだ施策も併せて、これらの施策の柔軟な運用も含めて総合的に推進してまいりたいと思います。
 次に、基本方針のお尋ねがありました。
 子ども・被災者支援法第五条、これは基本方針の中に支援対象地域に関する事項を盛り込むこととされております。また、支援対象地域は、法八条に、その地域における放射線量が政府による避難に係る指示が行われるべき基準を下回っているが一定の基準以上である地域と、こうされております。
 実は、支援対象地域や一定の基準、これについては法案の国会審議の際にも多様な事情を総合的に勘案して決めていく必要がある、あるいは、一定の基準を定めると人々を引き裂いてしまうことにもなりかねないといった議論があったと承知をしております。私は、その議論の難しさが基本方針の策定を難しくしている背景にあるのではないかと思われます。
 さらに、留意すべき点として、例えば風評被害がようやく落ち着きつつある中で、放射性物質に関する誤った情報で新たな影響が出ないよう配慮してほしいと、こういった意見もあります。このため、今後、科学的、専門的な知見も含め、内外の有識者等の御意見をお聞きし、その結果も踏まえて復興庁が関係省を取りまとめの上、基本方針を作成していきたいと思います。
 いずれにしても、子ども・被災者支援法の主軸となる施策の実施については早急に取り組んでまいりたいと思います。

○森ゆうこ君 まあ、答弁は長かったんですけれども中身が何もないという最悪な答弁でしたが。
 議員立法によってその原発事故子ども・被災者支援法が成立したんです。私の住む新潟県にも、被災者、福島県からの被災者が六千人、子供たちは千人、生活の見通しが立たない、いろんな不安を抱えている、支援を求めている。だからこれ、全ての党派が賛成して作ったんですよ。なぜ、もうこの通常国会で、成立したこの法案に基づいた予算が計上されていないんですか、この補正に。おかしいじゃないですか。それこそ緊急の課題じゃないんですか。
 そして、今回、本当に私は残念なんですが、福島県の子供さんたちに新たに甲状腺がんが発見されました。起きてほしくない。しかし、もう既に三人目の子供さんに発見され、あと七人の方も精密検査を受けているという状況です。これについては、関係ないんだと、原発事故には関係ないんだと簡単にそのような解説をしていらっしゃる方もいますが、その一方で専門家の中では、この後みどりの風の谷岡さんとか詳しくやると思いますけれども、事故の二年後辺りからやはり数人出てきて、その後急激に増えていくという状況があります。
 こういう不安を抱えている、そして健康の心配を抱えている、こういう被災者に寄り添って、そのためにこの参議院の良識で子ども・被災者支援法を成立したんですから、総理、もっとしっかりこういう人たちに寄り添って私は予算をしっかり付けていただきたい。改めてお願いしたいと思いますが、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣の基本的な姿勢としては、被災者の方々に寄り添って施策を進めていくということであります。
 この健康被害についても、検診を進めていく、お子さんたちの検診を進めていくということも含めて、国として、政府としてバックアップをしていきたいと、このように思っております。

○森ゆうこ君 言葉だけではなく、政権取ったんですから、しっかりとやっていただきたいと思います。
------------------------------------------------------------------------
 

○谷岡郁子君 重ねて、また特会などでたくさん積み上がって毎年ほとんど使われない予備費の在り方というものについても、今後の対応としては是非考えていただきたいということをお願いいたします。
 私が予備費に今回こだわりますのは、実は予備費を狙っておるからでございます。というのは、復興の特会に六千億の予備費というのが計上をされております。そして、これ、もう少しこの資料を見ていただきたいと思うんですが、この資料の中に今復興の関係をして交付金というものがどのように払い出されているかということの表をお付けいたしました。この交付金とは何ですか。

○国務大臣(根本匠君) 委員、この復興交付金ですか。資料八ですね。
 この復興交付金は、津波被害などで壊滅的打撃を受けた地域、これはもうゼロから都市改造、地域改造をしなければいけないような地域です。そのために、四十の事業を対象にして、そしてこれを一本の計画で事業を進めようという性格のものになっております。
○谷岡郁子君 資料八を見ていただければ、総理御理解いただけますでしょうか。この最初の表で見てみますと、岩手県四千九百三十三億円に対し、宮城県は九千二百二十一億円、福島県は二千百四十二億円、これは計五回払われているんですが、常に福島は物すごく少ないんです。
 そして、今の福島に使われている除染等、これは東電に求償するお金です。国の主導によって行われた原発の推進、これによって被害を受けた人々に実は国はほとんど、余りお金を出していない。なぜならば、本来、この修復すべきところが汚れてしまって、手が着かないからなんです。そして、人々はいつまでたっても立ち上がれないという状況がございます。
 だから、私たちは子ども・被災者支援法というものを作りました。森まさこさんが参院で趣旨説明をし、私が衆院でやるという形で、言わばお父さん、お母さん、どっちか分からないんですけれども、父と母をやってまいりました。
 森まさこ大臣、どうですか。この質疑が行われたときに、子ども・被災者支援法で、何ミリを目指してやるべきだということをおっしゃいましたですか、この特定地域について。

○国務大臣(森まさこ君) 担当大臣は復興大臣でございますが、私、筆頭発議者という立場と、それから子供担当大臣でございますので御答弁させていただきたいと思いますけれども、この法律は、谷岡委員が原案をお書きになった被災者支援法、それから私が原案を書いた子ども救済法、その他阿部知子衆議院議員や川田龍平委員などの案も含めて、それを取りまとめた法律でございます。ですので、それぞれの、子どもの部分と被災者支援の部分で多少性格の違う部分もあると私は思っております。
 谷岡委員が今、支援地域を何ミリシーベルト以上というふうに目標にしているかという御質問がございました。この点については、私は様々な目標があったろうというふうに思っております。谷岡委員が今日配付してある資料の中に子ども・被災者支援法とはという資料があったと思いますが、そこに書いてありますとおり、個別の政策ごとにきめ細かな救済策を生じていくということだと思います。例えば八条にある食品の安全ということであれば、これは全国に行くわけですから、何ミリシーベルトということは切れないということが国会の議論の中でもあったろうと思います。
 私は、この何ミリシーベルトという議論で基本方針が止まっていることによって、法のそもそもの目的である子供を救済する、被災者を支援するという具体的施策が遅れることは本末転倒であろうと思っております。補正予算の中では、私の所管している分野において、厚生労働担当大臣と相談して安心こども基金を積み増しまして、その中で屋内遊戯施設等に使えるようにしております。

○谷岡郁子君 私が覚えている限りでは、当時私が与党で、今のような抑制的な、何ミリとは言えないんじゃないかというような答弁をしておりまして、実は森議員は一ミリにすべきだとはっきりおっしゃったんですね。私たちは、数年掛けて一ミリに達するようにしようじゃないかということを申し上げました。年次的な計画でもいいんじゃないかと。
 これは、史上初めて全党会派が共同提出をした法律で、そして全党のもちろん支持で、全員一致で、安倍総理も含めて御賛同いただいて通った法律でございます。そして、これについては、本当に今、両方向へ支援をしようということが、後で法律を読んでいただきたいんですけれども、趣旨なんですね。戻ることができるようにもしようと。でも、人間には恐怖からの自由というようなものもありますから、本当に不安な方は出る選択をしていただいてもちゃんと支援しようじゃないかと。双方向でなければならないと。
 あのソ連ですら、あの人権主義的ではなかったソ連ですら、二十五年前に起こったあのチェルノブイリ事故において、一ミリから五ミリのところについては選択的な移住を認めるということをやって、それに対して就労や住居などの支援をいたしました。
 総理、今本当に困っている人々、この方々の、逃げた方々のアパート代であるとか高速代であるとか、ほんの小さなことを本当に多くの母親たち、子供たちは望んでおります。しかしながら、今回、そういう予算は付いておりません。先ほど申し上げましたように、復興特会には六千億の予備費が付いております。どうかこういう人たちに付けてあげていただけないでしょうか。お願いでございますが。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も総理就任後、福島を訪問をいたしまして、ふるさとから離れて困難な生活の中で、いつ帰れるかどうか、不安の中で生活をしている方たち、あるいはお子さんを抱えて、お子さんの健康を本当に心配をしている御両親とお話をして、一日も早く元の生活に戻れるような道筋を示さなければならないと、こう決意を新たにしたところでございますが、今、谷岡委員が御指摘をされたような点も含めまして、復興大臣とよく相談をしながら、被災者の立場に立ってこの財源を支出をしていきたいと、このように考えております。

○谷岡郁子君 長いトンネルの中にいたような気がしましたんですけれども、今の総理のお言葉で何か希望の光が見えました。
 パネルを出してください。(資料提示)
 今日最後にお見せしたいこの資料というのは、これは総理の方にも見えるようにして、総理の方にはお付けしておりますけれども、今、チェルノブイリでどうなってきたかということにおいての、これは甲状腺がんの問題なんです。二年目でぽこんと上がっているのは思春期の人たちなんです。今回、新たにがんが見付かった二人と怪しい七人、この人たちの平均年齢は実は十七歳になります。小さい子供たちよりも先に、二年目に実は十五歳から十八歳が出て、その後急激に子供やそして思春期の子供たちがなっていった。
 我々はやはりそれは安心サイドに立つべきだと。そのことに対する親たちの不安ということを考えれば、当然、外へ出ようとする人たちを支援すること、一時的にあってですよ、また帰るときにも支援すればいいわけですから、そのことを考えなければいけないと思うんですが、総理、いかがお考えになりますでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) こうした健康管理に対する支援については、安倍政権においても言わば政府を挙げて支援をしていかなければならないと、このように考えております。様々なこの体制をしっかりと組んでおくという人的な支援を集中をしていく、あるいは整えていくということも含めて、こうした不安に対応するようにしていきたいと思います。
○谷岡郁子君 恐ろしいのは沃素だけではありません。また、甲状腺に限りましてもがんだけではありません。様々な機能障害があります。そして、それはホルモンですから、発達と大いに関係があります。そして、それは血液検査をしなければ実は見付かりません。ところが、今は血液検査がなされておりません。これに対しても改善していただけないでしょうか。
 総理、いかがでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) ちょっと検討をさせてください。

○谷岡郁子君 是非前向きに検討をさせていただきたいんです。
 今までほとんどが福島県に丸投げされていた。しかし、所得税は国民から直接取っております。そして、本当に国民を守るためには、場合によっては国が直接に支援する必要性が出てくることもあろうかと思います。
 総理、最後にそのことをお約束いただけないでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供たちの健康を守っていくのが国の責任であるということは申し上げておきたいと、このように思います。

○谷岡郁子君 ありがとうございました。終わります。
----------------------------------------------------------------------------------
○吉田忠智君 
 東日本大震災、未曽有の大震災、そして千年に一度と言われる大津波、そしてあってはならない原発事故が発生をして二年がたとうとしています。今なお三十一万六千人の方々が避難生活をされておられます。うち十六万人の方々は原発事故によって避難生活をされておられます。改めて、復興を加速しなければならない、私も参議院の復興特別委員会の委員の一員としてそのように肝に銘じているところでありますし、総理も、閣僚全員が復興大臣だ、そういうことを指示をして今取り組んでおられることは十分承知をしております。
 あの原発事故でなかなか戻るめどが立っておりません。もういろいろ課題はやりたいんですけど、先ほどの谷岡委員の課題に次いで一点に絞って質問をさせていただきます。いわゆる原発事故による子ども・被災者支援法でございます。根本復興大臣、この支援法の趣旨について、意義についてどのように理解をされておられますか。

○国務大臣(根本匠君) この子ども・被災者支援法の意義については、原発事故で被災した子供を始め妊婦の皆様、この健康とそして住民の生活をしっかり守っていくことだと思います。
○吉田忠智君 この子ども・被災者支援法、(資料提示)このパネルに付けておりますけれども、特に放射能への感受性が高い子供と妊婦の保護を重点に、避難したか、居住を続けているか、避難後帰還するかについて、被災者自身の自己決定権を国が全力で保障しようとするものであります。今日出席の皆さんは、全会一致ですから、大臣の皆さんも賛同いただいたものでございます。
 ところが、なかなかこの基本計画、基本方針そのものができておりません。先ほど議論のありました、基準をどうするのか、線量をどうするのか、支援対象地域をどうするのか、それはかかわりますけれども、そして基本方針、これを、大変遅れております。政権が替わったということも理由としてはありますけれども、しかし、もう避難されている方は一刻も早く基本方針を作ってほしい、具体化してほしい、そういう悲痛な声が上がっているわけですね。
 復興大臣、どうされますか。

○国務大臣(根本匠君) 子ども・被災者支援法の趣旨にのっとった施策、これはこれまでも福島県と協力して、子供の健康管理調査あるいは自然体験活動の機会の提供に取り組んでまいりました。
 私は昨年末、復興大臣に就任をいたしました。原発事故で被災した子供を始めとする住民の生活を守り、支えていく、これは大変重要だと私も認識しております。こういう認識に立って、平成二十五年度予算案では必要な施策について充実を図っております。また、実は関係施策が各省庁にまたがって多岐にわたるものですから、私から浜田復興副大臣を座長とする関係省庁会議、これを立ち上げるよう指示して、二月十三日に第一回会合を開催いたしました。この会議の中で、関係施策を国民に分かりやすく、体系的に整理して取りまとめたいと思います。
 今先生御指摘の支援対象地域、一定の基準、実はこれは子ども・被災者支援法の国会審議の際にも、先ほども出ましたけど、人々を引き裂いてしまうことになりかねない、あるいは多様な事情を総合的に勘案して決めていく必要があるといった議論があったと承知をしております。
 一方で、さらに我々もいろんな意見を聞いておりますが、例えば風評被害がようやく落ち着きつつある中で、放射性物質に関する誤った情報で新たな影響が出ないよう配慮してほしいと、こういう意見もあるんですね。ですから、今後、専門的、科学的知見も含めて内外の有識者の御意見をお聞きし、その結果も踏まえて基本方針などを策定していきたいと思います。

○吉田忠智君 いつまでに策定しますか。

○国務大臣(根本匠君) できるだけ早く策定したいと思いますが、この一定の基準、一定の基準である地域が支援対象地域となりますから、ここは先ほど申し上げましたように、様々な意見があります。立法過程でもありました。ですから、専門的な科学的知見を含めて、内外の有識者の御意見をお伺いして、その結果も踏まえて策定していきたいと思います。

○吉田忠智君 いや、時期は言えないんですか。

○国務大臣(根本匠君) 申し上げましたように、指定対象地域、一定の基準、様々な議論がありますので、しっかりと多様な意見をお聞きしながら、科学的、専門的な知見も含めながら決めていきたいと思いますが、ただ、だからといって政策をやらないということはありません。具体的な施策は、二十五年度の当初予算も様々な施策を充実しております。
 それで、私のところでも、子ども元気復活交付金、これは、低放射線量で子供たちが外で遊べなかった、体力も低下している、肥満も増えている。そういう政策もこれから充実させていきますので、今、期限についてのお話もありましたが、そこは多様な意見を踏まえながら、その結果を踏まえて策定していきたいと思います。施策はしっかりやってまいります。

○吉田忠智君 総理、大体、いろいろ議論はされて出尽くしている面があるんですよ。政治決断の時期にもう来ているんですよ。総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かにこれは遅れているわけでありますが、これは、前政権のことをとやかく言うつもりはございませんが、これは、法律ができて、その後解散・総選挙になってしまった、残念ながらこの基本法について着手する前になってきてしまって我々が引き継いだわけであります。その中で作業を始めた、まだ緒に就いたばかりでございまして、その中において、大臣も今慎重な答弁をしているわけでありますが、我々としては、できるだけ早い段階でしっかりとお示しをしていきたいと、このように思います。

○吉田忠智君 森大臣、どうぞ。

○国務大臣(森まさこ君) お答えをいたします。
 私が一ミリシーベルトということを国会審議の中で言ったことはございません。議論の中で、福島県の子供が含まれるかという議論が国会でございました。これが何ミリシーベルトで切ってしまうと、福島県の子供が入らない場合が考えられるんです。ですから、そのときに議論の中で、吉田委員も御記憶かと思いますけれども、一定の基準というのは、何ミリシーベルトという場合もありますし、施策によっては一定の基準というものが地域で、又はその地域プラス少し広げたエリアということで定められる場合もあるという議論があったかと思います。
 そういったことを踏まえまして、前政権下で法律が施行されてから六か月間、基本方針が定まっていなかったわけでございますが、私ども政権をお預かりしてまだ二か月たっておりませんが、一生懸命に今議論をしております。その中で、何ミリシーベルトという基本方針を必ず定めなければいけないということであると、先ほど申しましたように、本末転倒になり、今まさに救済を必要としている子供たち、被災者の救済が遅れてしまいます。
 補正予算で、ここに、八条に書いてあるもの、様々盛り込まれました。また、当初予算でも盛り込まれる予定と私は思っております。ですので、施策を進めながら基本方針の策定を急いでいくということで頑張りたいと思います。

   〔委員長退席、理事小川敏夫君着席〕

○吉田忠智君 この法案、私も発議者の一人でありましたが、草案提出者の総意は年間一ミリシーベルト以上でございました。それから、先般院内集会に来られました双葉地方町村会も、年間一ミリシーベルトを超える地域を支援対象地域として指定することと要望されておられます。
 委員長、あっ、委員長替わりましたけれども、いずれにしても、この間の具体的な政策判断も必要だと思いますので、誰がいつどのような意見を述べたのか資料にした上で、法の趣旨にのっとって優先順位で判断していただきたいと思いますが、そうした資料を委員会に提出をしていただきたいと思います。

○理事(小川敏夫君) 後刻理事会で協議いたします。

0 件のコメント: