昨日、国交大臣が記者会見で、自主避難者の高速道路無料化を検討すると発言したニュースが各紙でとりあげられています。こうして一つ一つ課題を乗り越えていきましょう。
TBSニュースによる大臣の記者会見
朝日新聞ニュース
日経新聞ニュース
(10.22追記)
大臣発言があっただけで、事務方での調整はこれからのようです。当該大臣会見は以下のようなものでした。
Q、きのうの参院決算委員会で、国交省の関連で、被災者を対象に高速道路料金の支援をすべきではないかという質問がいくつかあった。全国防災で被災
地以外のところで使うよりも、まず福島など被災地に使った方がいいのではという趣旨だと思う。高速料金の一部無料化の措置を拡大するような意思は。
A、
これは常に指摘されているが、(対象者の)確定とか、これをどうするかというのは大変難しい部分があると思っている。東京電力との調整も必要だ。決して私
もそのまま放置しておくつもりはない。子どもたちはなるべく遠くへ行って、お父さんが福島県内で働いていて、週末会いたいというような希望があると伺って
いる。どうやって把握するのがいいのかも含めて検討していかなければならないと思っている。
小さな赤ちゃんであれば母子手帳を持っている
ので、どこで出生したかが分かる。そこから今離れているという状況を把握でき、学校を転校していれば、どこからどこへ転校したのか分かる。そういうものも
平野復興相や東電と相談しなければならないが、私としてはそういうようなことで把握して、何とかしてあげられないのかなという思いを強く持っている。復興
相と調整できればと思う。
Q、今は警戒区域などの区域で対象者を絞っているが、要件を拡大するのか。
A、お子さんを持ってい
る親御さんであれば、なるべく遠く安全なところへという思いがあると思う。そういうところをどうやって分けるかというのは大変難しい部分があって、どこま
で支援するかを調整はしなくてはならないと思うが、私としては、単身赴任でお父さんが残って仕事をし、子どもたちだけでもということで、お母さんと子ども
たちが地方に出ているというようなことについては、何とか把握できるのではないかなと思っている。
そこは復興相と調整していかなければならない課題ではあるが、チャレンジしてみたいと思う。
2012年10月20日土曜日
2012年10月18日木曜日
10月18日「子ども・被災者支援法」を育てる世話人会・勉強会報告
10月18日、第3回「子ども・被災者支援法」を育てる世話人会・勉強会が参議院議員会館内で開催された。以下に報告する。
出席:徳永エリ議員、紙智子議員、川田龍平議員、秋野公造議員、復興庁、環境省放射性物質汚染対処特措法施行チーム。オブザーバーとして、発議者秘書など
出席できない議員が多かった理由は、参議院で10時から16時まで、決算委員会が開かれ、発議者の森まさ子議員、加藤修一議員、吉田忠智議員、谷岡郁子議員が委員として、復興予算が被災地外に使われていない問題について質疑をしていたため。
環境省:資料に基づいて説明する。2ページは、汚染がいかに広がりがあるかを理解するためのマップがある。色が塗ってあるのが毎時0.23マイクロシーベルトで年間1ミリを超えているエリア。茨城、栃木、埼玉、千葉にも広がっている。
3ページの説明。空間線量低減に取り組むために、放射性物質汚染対処特措法があり、基本方針に基づき、今年1月より完全施行している。原子力事業所内は、東京電力が実施。
環境省が取り組んでいる除染は2つ。除染特別地域、汚染状況重点調査地域。
4~5ページの説明。除染特別地域は11町。国が除染実施計画をつくって、自ら直轄で除染する。7町村で計画策定され、除染が開始、あるいは開始されようとしている。直轄地域は、当面2年間(24年度、25年度)を線量ごとに分けて実施する方針。直轄地域の進捗状況。除染には計画策定と仮置き場の確保が前提。双葉は地元との調整がまだ必要。非直轄地域について、104のうち86市町村が実施計画協議。法施行以前に除染計画策定したものを入れると94市町村。計画は進んでいる。
6ページの説明。汚染状況重点調査地域は、一定の汚染があると思われる場合、市町村が測定し、市町村が除染実施計画を策定する。市町村が除染する場合、国が費用を支援する。
議員:直轄地域で計画ができていない理由は。
環境省:地元で重要視している課題は、区域見直し、賠償の問題なので、それが片付かないうちに次のステップに進まない。2~3年で帰れるかどうか、区域により賠償も変わるので、区域見直しこそ住民にとってプライオリティが高く、除染という次のステップに入らない。
議員:それは特措法に基づく措置の説明だが、子ども・被災者支援法では、子どもの住居や学校など重視という趣旨があるが、それを付け加えて検討しているのか。
環境省:先行除染というプロセスがあり、本格的除染をすすめるにあたって、拠点となるところを除染している。国や市町村がつくる除染計画は、人の健康の観点から必要なところからやっていく、中でも子どもがいるところは大事だとしている。
議員:田村市で先行的にやったというが、学校や子どもがいる所がどうなっているか分からない。
環境省:それは後ほど資料を用意する。基本方針で目標をかかげているので、子どもさんの環境を重要視している。
議員:除染計画が決まっていない所については、除染ありきで、除染して安全になったから戻ってくるんですよね。
環境省:除染をするために自治体の皆さまと話すと、まず賠償だ、ということで、除染の話に入っていけない。地域指定の問題は除染と100%オーバーラップしているとは限らない。当然線量が高いところは除染しなければいけないが、自治体と調整中。
議員:長期的に20ミリにしていくというのは、どれくらいの期間でしていくのか。
環境省:目標年度はない。
議員:20以下というのならば、自然に下がるから、何もしない言い訳にもなる。いつまでかをはっきり。非直轄の方が多いのだから、数値や目標を。
環境省:市町村に聞いてまとめるという作業をしようとしている。それをまとめて紹介する。今進行中だ。今ちょうど取り組みをやっている。調査についても、項目が多すぎると市町村にとっても大変なので、それも含めて調整している。すでに関係市町村にお願いしているが、期限については見えていない。情報交換はさせていただいているが、一つの表にまとめるため、ということをやるには、自治体にも負担をかけてしまう。数か月単位ではできるとは思うが。集計するということはチェックも必要で、手間がかかる。
福島県内の除染計画については、月1回、各市町村の報告書をつくっている。後ほど、資料をお持ちする。他の県で同様のことをやっているところはない。
直轄地域もいろいろステップがあり、除染をすすめるにあたって、住民の同意を得る、個人の資産に関わるので、それが重要なステップであり、週末も含めて一軒一軒われわれが伺っている。
議員:仮置き場確保済みというのは、どういう場所か。
環境省:仮置き場については、市町村と調整し、農地で使っていないところ、国有林を一部切り開いて造成するなど、先方のニーズによって異なった地域を使用されている。飯館村の一部確保済というのは、必要な面積の一部が確保されているということ。飯館村に関しては、大きく3つの工区があり、1工区はできていて、2~3工区については来年度だが、確保のためボーリングなど調査中だ。他の候補地も提案をいただいている。
地元調整中で困っているのは、南相馬市だと仮置き場候補地を市から提案いただいて、技術的に可能かをこちらから確認したが、周辺の住民の方の同意が得られていない。地権者の方は同意しても周辺の方々が納得しない。
楢葉町はかなり確保できている。詳細は現地の担当でないと分からない。中間貯蔵施設がないから仮置き場もできないという話もある。仮置き場が確保できないと全く除染がすすまないとは限らず、現場で保管するという方法もあり、できる限りやっていく。それ自身はシールドしておけばいいということは分かっている。
中間貯蔵施設は、平成27年1月から供用したいと思っている。中間貯蔵のロードマップで仮置き場から3年を目途にとなっている。8月の段階で、地元の方々に12か所、事前調査をさせていただくことを住民の方に理解いただきたいと国からお願いして、県がそれを引き取って、調整しているところ。
人の生活圏、住居、農地、人が住んでいる所に近い森林、といったように、自治体が決める計画に基づいてプライオリティーを決めている。
除染費用は2つあり、福島県は県の基金にお金を入れて、県が自治体とお話しして執行、福島県外は請求いただいて執行する。除染は予算としてはいただいており、これまでの合計額だと来年度概算要求4996億円、今年度3721億円。ただし、お金がないから除染ができないという状況には絶対にさせない。まだ執行されていないものも現実にはある。計画ができてない自治体もあるので若干スケジュールが遅くなっている。
除染に必要な人の確保は工事事業者が確保する。福島の場合、復興需要があり、確保が難しくなりつつあるという話もあるが、しっかりすすめるようにしている。
実証事業については第三者も入れて評価して、今まで2回、1回は22件採択し、結果は近日中に公表する。2回は15件程度予定していて、業者も近日中に公表する。ホームページで記者発表で公表する。
高線量のところは別途新たな技術がある。子どものところを優先という声が続いて、この法ができたので、その前から基本方針などでも言われていて、そもそもそれを懸案した計画になっている。
除染のスケジュールについては、計画をつくるのが大前提で、福島市も郡山市も計画があり、いつまでにどこまでやるかが定まっている。しっかりやりきるしかない。
仮置き場候補の周辺の方の理解、草や木がたくさん出たら、それを燃やすことにも反対がある。国としてしっかりサポートする。
中間貯蔵については、大丈夫な場所で安全にということで、具体的プランをつくって地元理解をいただくステップにしたいが、事前調査をさせていただきたいとお願いしている段階なのが現状。中間貯蔵施設を汚染している地域に置くと、より汚染がひどくなるのではないかと言われるが、そこは一つ情報発信しないといけないと思うが、そこの線量より低いものを持ってくるので、そのあたりを住民の方のご説明していく。
議員:公の場で業者や研究者などにコンテストとして、どういう中間所蔵がいいのか、決定していくようにしたらいいのではないか。国に信頼がないので、住民の理解が得られない。地元で受け入れられないなら、そういう提案もあるということだ。
環境省:中間貯蔵施設のロードマップのイメージ図はあるが、住民には具体的に説明しないといけないので、地元調査をさせていただきたいとお願いしている。
議員:ベラルーシの大使に聞くと、安全と経済の両方の側面を考えないといけないということで、外に持ち出すというのはどうなのか。福島県内で、ということにはならないのか。線量が高いところは入れなく、除染して下げていくというのではなく。
環境省:学校の除染は、毎時1マイクロには下げようという目標を立てている。
環境省:基本的にマイクロホットスポットという、側溝や雨どいの下にあるということは各市町村からいただいているが、どれくらいの数かまでは把握できていない。除染の計画策定がされて、濃縮する可能性高い所も測定させていただき、線量高ければ、除染の費用をかけるという対策を考えたいと思う。
議員:一関の学校のグラウンドが高かったが。
環境省:資料でも岩手も線量高いところあり、除染の計画策定していただいて、実施をすすめていくようになる。除染計画に位置付けられれば、100%国が費用を出す。汚染重点調査地域で計画が決まっていないところに対しては、引き続いて自治体と調整している。事故後に放射線量が下がってきて、計画を策定する必要ないと判断している自治体もあると聞いている。これ以外の地域は、法による除染をすることはないが、新たに発見されれば、環境大臣に申請して対象にすることはできる。
議員:農地の除染はゼオライトをまいたりして、自分で費用を持ちだしてやっているという話がきていて、請求しても東電に請求するものだからということで、自分で持ちだす以外ない。東電請求は時間かかるので、結局持ちだし。どう対処するのか。南相馬に行った時、畑をやっている農家が、東電に何回か請求出したが、一向に返事がこないという。
環境省:汚染重点調査地域で農地も計画に位置づけられているところもあるが、農地で土を入れ替えたら、土壌の質が変わった時、肥料などを入れる場合には、その費用は出る。除染としてゼオライトやカリウムをまくだけならば、除染とは認められず、肥料としてやっているか除染のためか分からない。除染として認められるのは土壌を何センチといった基準がある。単にゼオライトまくだけではだめ。
復興庁:自主避難者数は整理中で福島県でもよく分かっていなくて、県外6万人で自主避難は半分くらいではないか。つかみで半分が自主避難というのがどういうつかみかは分からない。11月中旬くらいにはというメド。市町村に負担をかけてはいけないので。一部自治体でまとまっている所は分かるが、それで全てというのではない。
議員:北海道に戻ったら、最近避難した人もいる。1年半以上悩んで移ろうと判断した。北海道になぜ来たかというと、受け入れ体制がある。家賃も安い。これから先どうするのか、どこに住んでいても、人間らしく生きられることを確保しないといけない。
議員:県外の健康調査について担当するところがないのは困る。
復興庁:先週この場で支援法に基づく事項要求があったことを説明しており。現在、基金事業で連携医療機関があることも説明している。いずれにしても環境省に責任をもってこたえさせる。
川田議員からの質問事項については、担当が違うところもあるので、次回以降に回答する。復興庁の担当箇所では、エコチル調査の結果を復興庁で一体化して把握という件についてはお答えできない。保養について、民間の保養事業への助成をどう検討するかについては、鋭意検討中で具体的に示せる状況にない。借上げ住宅が転居できない点については、災害救助法は今家がない人に提供するという観点なので、その後に生活事情が変わって移りたいのならば、東電の賠償でやるべきということで、応急の段階のみが災害救助法の範囲。福島県は1回に限り、仮設住宅の転居を認めていると聞いている。
2012年10月16日火曜日
10月13日原発事故子ども・被災者支援法福島フォーラム後半報告
引き続き、休憩後の後半の報告をする。
peach heart。福島の独身女性中心の任意団体。河﨑弁護士と支援法を是非つくりたいと2月に国会に行って、金子さんに会うなどしてきた。超党派で夢を与える法律ができた。これからの未来の一歩と信じてやまない。これから子どもを産み育てる、福島独身女性。本音でどう考えているのか、思っているのか、彼氏彼女でも話せない。家庭環境で、これを言ったら傷つけてしまうのではないかという思い。月1回、女性が集まって本音でしゃべれる会を持っている。私は郡山のラジオ放送局で仕事をしていたが、これから子ども産み育てるなら、と思い、今は札幌へ避難している。札幌で一人だとさみしい。福島で活動している友達のFacebookを見ると、これから沖繩に行こうかと悩み始めてる子もいる。これってまずいんじゃないか。千葉に避難している友達は、猪苗代に戻った。それぞれの立場によって違う。それぞれの立場、変化に対応できる法律だ。
とみおか子ども未来ネットワーク。富岡町から避難し、市民団体として活動。避難者は県内および47都道府県に避難している。理念法なので、期待はしているが、被災者の声を聞いてつくるというのは、どういう話を聞いてくれるのか。是非とも声なき声を理念法に入れて欲しい。小さい子どもの声を入れるべきで、声が大きい人の発言で全て決めるのは困る。時間軸を考えると、30年や50年だと、年輩だと生きていない。私が生きているうちに町に帰れるか分からない。それを汲んでほしい。
栃木から愛知へ避難している。那須塩原は100キロ離れているが、0.7マイクロシーベルト。原発から20~30キロだけ汚染という報道で被ばくした。放射能が気になるなら自費で引っ越せば、ということで、何の支援もない。子どもを守るために大きなお金がいる。汚染給食、ホットスポット。気にして声をあげた親は非難される。農作物を守るために、小さな子どもの健康を守ることは後回し。なぜ線量が高いところに住んでいるのか。東北3県が被災、あるいは福島が放射能汚染されているというが、関東もいっぱい被災した。国や東電や世間は、そこを理解していない。愛知県内で避難者交流をしている。今あるストレスは本来なかったもの。適切な賠償と支援を要望。
県内自主避難の権利を求める会。昨年、事故以降、避難指定区域外から自主避難した。県外ではなく、会津など県内で低い地域に避難。個々に支援を求めて1年7ヵ月。4月に自主避難者で集まろうということでつくった。災害救助法で県外と同様に支援をと県に要請したら、6月10日に回答があり、国と協議中とのこと。6月定例議会で請願が通り、会津若松市から国に意見書が出された。成果は実態調査すらままならず、何一つ支援ない。1年7ヵ月、二重生活。乳幼児、公立学校、検診、住所移していない人。再び他県に引っ越した人。「逃げられるお金あるからいい」、「ふるさと捨てるのか」と言われる。避難する権利があると法律で後押しするなら、除染が終わるまででも避難を認めて欲しい。安全だという情報ばかりだが、正確な情報が必要。福島を離れるか考えてしまう。県外と同等の支援を。
会津放射能情報センター。昨年7月から毎月、和歌山の医者を呼んで健康相談をしてきた。今では数値による子どもの健康管理、尿検査、血液検査をしている。会津では、自分たちは被災者なのかと、被災や被害の程度で痛み比べみたいになっている。比較的線量が低い会津というが、本当に大丈夫か。塾講師が、塾に来ている子の鼻血や下痢とまらないと言う。私たちの所が安全とは言えない。全県、空間だけでなく土壌線量が重要。8月ベラルーシに行って、埋められてしまった村の話を聞いた。空間線量は会津と同じだが、土壌はどうなのか。ベラルーシで、福島子ども10人の健康調査をしてもらったが、尿検査、甲状腺検査、男子性器の検査、心電図などがあり、次の世代への遺伝子の問題だから、外に出ている男子の性器は定期的検査が必要だ。それから、見回り相談をする相談員設置と、県内モニタリングポストが正確か再調査が必要だ。
むすびば。札幌市民で、物資・生活・教育支援を行ってきたが、中手さんと出会い、避難希望者がいるのではないかと思った。福島に行き、2月11日いのち全国サミットで、支援団体が一堂に会するようにして、全国から75団体集まった。次のステップとして、311受け入れ全国協議会を私が事務局としてつくった。北海道では35団体ある。全国で意見をまとめるのは避難者には難しいので、支援団体として、院内集会を企画した。むすびばとしては、住宅に関しては、県外も県内も同じ問題だと捉え、就職、旅費、医療、健康といった問題、そして出たくて出たといっても帰りたくても帰れないという問題。法の基本方針について、市民会議の立場から全国の避難者の意見を集めるリーダーしている。2次避難、3次避難と同じ支援が受けられない。全国が被災地と思ってやっている。
みちのくの会。北海道に避難した当事者のみで1200人会員がいる。7割強が福島からの避難で、今は自主避難が多い。毎月、母子で避難してくる人がいる。北海道は線量の心配なく、北海道産の食べ物がスーパーで安く手に入る。移住を覚悟して家族で来た人もいる。保養で夏休みだけの人もいる。北海道は、避難者の会が4月に12世帯で発足し、支援団体、行政、医療関係の協力体制がよく、震災後すぐ動けた。線量が高い所にいる人にはいつでも来ていただけるようにする義務がある。福島だけでなく、宮城や関東も多い。今後支援が難しくなるが、いつでも来られる常設の施設がある。避難している方には帰ってからの支援が必要。以前に地元に帰ったお母さんは今年の夏には来られなかった。周りに農家が多く、自分が信頼していた人に、「どうしたの」、「おかしいの」と言われたため。安心して来たり帰ったりできる体制が必要。
市民放射能測定所。「第9回こども健康相談会・放射能ワークショップ「原発事故子ども・被災者支援法」医療・検診についてのまとめ」の紹介をする。健康相談会を担当し、医療者がどのようなこと考えているのか、お母さんからどのような要望あったかをまとめた。医療では意見が分かれる。まとめの3ページの箇条書きを見て欲しい。検診体制、県民健康管理調査、支援法が一緒にされるのことに異議が多い。問題点ある調査について、県や県立医大に丸投げではなく国の責任でするには、どうしたらよいか。同じく3ページの「ほか」と書かれている囲みに、全国の医療機関検査機関に共通カルテと手帳を導入する提案をしているが、予算が難しいのではとも思う。来週19日に院内集会をして、健康を守るための声を集める。医師には協力いただきたい。医師にこのまとめの冊子を送りたい。お母さんは子どもに病気になって欲しくないとの思いからだが、親が心配になるから子どもが親に症状を言えない状況もある。自分の子どもたちやこれから生まれてくる子どもも含めて、医師の協力が欲しい。
新潟県県民生活・環境部広域支援対策課。受け入れ側自治体の立場として、3月12日からピークで1万人受け入れ、被災県に仮設ができて、現在6400人受け入れ。内訳、福島98%、自主避難半数、18歳未満4割、母子避難も多い。多々あるが、受け入れ自治体の要望。これまで市町村やNPOと受け入れ全県一丸でやった。中越地震などあって災害対応の蓄積があるし、支援にお返ししたい。生活支援、避難者の把握名簿、借り上げ住宅、心のケア……。多技にわたっている。県内で災害発生時にこれまで取り組んできた、基本的なこと、避難者の把握、網羅性や公平性で行政がやるべきだが、災害救助法に基づく要請はあったが、生活支援を受け入れ自治体がどこまでやればいいのか分からないし、とりわけ自主避難には、自主避難だからと区別できないが、被災自治体から放置されている。問題の根本は法整備にないこと。だから支援法に期待している。避難者支援の基本的部分は網羅性や公平性、被災自治体が県外避難者把握、財源明確化の3点。前提として、支援法の対象支援区域かどうかで区別するのは困難。現に避難している人を支援する。
愛知県被災者支援センター。「『原発事故子ども被災者支援法』を早急に具体化するための提言(討議素案)」(PDF)を説明する。パーソナル支援会議を昨年から30回やり、愛知県避難支援のコンセンサスの枠組みづくりをした。構成メンバーは改定箇所がある。法律の議事録を読んだが、議員が一つ一つやってくれた。個々の条文ごとに期待や要望を集めている。広域避難の全国的支援が必要であること。読んでいただければ分かる。何よりも対象は、避難して苦しい人、一人一人を支援することで、その観点で国が指針をつくる。支援対象地域については、行政区によって避難したわけではないこと。子どもの健康を守るために混乱した情報で、避難したという現実。対象地域は重要。子どもの心のストレスを周りが理解しない。避難する権利は社会がきちんと保障する。医療は手帳など具体的アイディアを出している。こうした中身をもとに県内避難者の声をつかんでいきたい。
会場発言。福島原発避難者の会 in米沢。A2判定がかなり出ている。二次検査できない。どこいてもできるような体制をつくって欲しい。母子避難が多く、経済逼迫している。週末に父親が会いに来るので、高速の無料化、それから免許証交付を避難先でできるようにするといったことも大切。山形や新潟は使われなくなった学校がいっぱいあるので、福島の子の避難を、最低夏休みと冬休み受け入れるといい。福島県ががんばって短期的でも避難させたい。
会場発言。福島市からニュージーランドに移住した家庭も多い。甲状腺検査ができない。県でも分からないという回答。国からきちんと県に丸投げしないで検査できる体制を。福島市、郡山、二本松などで、小学1年~3年や未就学児は、小さいから付添が必要だが、親が仕事しているので、国が働いている母親の休暇制度をつくって欲しい。
会場発言。大熊町から。塾をやっているが、子どもが不安。町村長が、除染して帰りましょうと言われているが、「なんだ、帰らなきゃいけないのか」と子どもが言っている。町民には、あそこには帰れない、無駄な除染をしてお金使うなら、他の地域にお金をまわせという声がある。「何で帰んなきゃいけないのか」と言う子どもがいる。まわりの人たちも、双葉郡に子どもは住めないと言って欲しい。双葉の声は、「あそこは帰れない」だ。
会場発言。市民放射能測定センターで、補足。健康管理調査は調査で、必要なのは医療。医療体制をどうするか。広範囲に必要、A1、A2という判定ではなく、医者にきちんと説明してもらえるように。アメリカの国防総省が、東京や横須賀や静岡で高い線量があることを発表している(国防総省ウェブサイト)。先日、健康調査の秘密会の件がメディアで流れた。この調査は県が調査報告書をつくるが、第三者機関が入る必要がある。
ネットワーク構成団体のJCN。今日の生の声をネットワークで伝えないといけないと痛感。普段愛知にいる。東京から西へ行くほど震災は風化している。中日新聞での報道は、極端に減っていて、節目だけになっている。そうしないのが私たちの役目。当事者に、具体的にお金の問題を含めてしっかりとした支援が必要だ、というのが第一義的にある。被災者からも発言があったが、福島福島と言うと、福島以外の人が出にくくなる。福島だけの被害ではない。言いたくても勇気がないという声を聞く役割を、民間で果たしたい。活動しているのは700団体の半分。一方、県外避難を支える団体も増えている。絶対的量が少ない。量の問題については、啓発が必要だ。施設の問題もある。コンサートに県外避難者を招待し、避難元のプラカードで退場というのがあり、こんなことがあるかと思うが、支援の質の問題もある。お互いの質を高める中間支援も必要。国民全体で支えるなら、善意のボランティアだけでなく、市町村の担当者、新潟県も理解ある発言あったが、バラバラでやっている。社協でがんばっている、生協の職員さん。私たちボランティア。それを全国民で支える風土づくり。財源は、ほとんど皆、確保できていない。支援者を支援する。JCNは、東海、近畿、山形、そしてこれから松山、広島と全国各地をまわって、広域避難の実態を調べる。現地でも11月28日に現地会議4回目がある。風化を食い止めないと冗談じゃない、微力ながら協力惜しまないと感じたフォーラムだった。
ネットワーク構成団体、原発事故子ども・被災者支援法市民会議の代表世話人、中手聖一さん。市民会議は震災後にできた福島から避難している被災当事者の団体、支援団体の小さな市民団体。7月10日発足。支援法を身のあるものにしていこうというもの。先日の東京フォーラムの報告は配布しているので、ここでは資料を紹介したい。福島市が5月に福島大学の牧田先生に依頼した、放射能に関する市民意識調査で500人を対象にしたもの。新たにどんな困難があるのか。避難した6割7割は仕事を失って収入激減。避難についてどう考えているかという設問では、どうするか三択で見事に3分の1に分かれている。それが福島の事実。今日のこのフォーラムでも全く同じ。除染して住みたいからその支援、避難したいけどできない人への支援、戻りたい人が安心して戻れる支援。全ての選択に権利があるというのが支援法。感情的ものいいにならずできている。福島人が被災を通して目覚めた生きる力を示せたことは、うれしい。与党野党こえて、つくっていただいたから、今度は福島の番だ。いろいろな意見を聞いていく。支援なき自己選択はない。
石原洋三郎衆議院議員。国民の生活が第一。福島1区選出。昨年震災発生以降、原発事故以降ご心配かけたが、今回、皆さまのお力で子ども・被災者支援法が成立した。しかし私自身課題がある。法案は成立したが、画竜点睛を欠く、仏つくった魂いれずとならないよう、支援地域をいちはやく設定、1ミリ以上が基本的で、予算付けをしないといけない。実際今、自主避難だと二重生活で、移動するだけで大変。支援法では移動支援を政府がやらないといけないというが、高速の無料化継続が打ち切りになる現実。法に魂いれる。賠償もそう。原陪審の自主避難も一つの目安で昨年決めたのに今年は決められていない。昨年決めたのに今年はなぜ示せない。自主避難、二重生活に対し、示さないといけない。せいいっぱい、原賠審の本質、和解の仲介を。被害者の意見を聞いて指針を出さないといけない。
太田和美衆議院議員。国民の生活が第一。感慨深い。法案が成立する前、チェルノブイリに行って、法を直訳した。こういうのをつくりたい。谷岡先生と是非被災者支援法つくっていきたいとなって、最終的には福島県の思いを一つにした法律になった。基本法に近いからこれから魂を入れる。今が正念場。復興庁を先日呼んで、議論をした。国会としては来年度の予算概算要求、年末予算確定、それまでに基本法に具体策盛り込むかで、正念場。6月から4ヵ月。残りわずかしかない。国会議員の中でも対象地域をどこにするのかさまざまな意見がある。私は当然1ミリ。中通りの国会議員として、中通りの支援、自主避難への支援が手薄。5ミリだと対象地域から外れる。共通認識持って、1ミリの設定を声をはりあげて。皆さんの力をいただきたい。せっかくできた思い入れある法案を中身が薄いものにしてはいけない。
民主党、内閣府大臣政務官(復興担当)、金子恵美参議院議員。おばんでございます。福島選出。復興庁大臣政務官になった。今回の支援法をつくる時は一議員で、発議者で国会答弁した一人。この時、私が政務に入るとは思っていなかった。今となれば天命かな。集会開いてくれてありがとう。5条の3項、基本方針策定には、当事者の声を聞いていく仕組みをつくらないといけない。そもそも、もちろん基本方針つくる段階で政府にゆだねることになるが、全て政府にまかせるのではない。皆さんの意見を盛り込む。政府にいるが、一県民として皆さんの声を聞く。復興庁から水野参事官も来て、聞いてもらっている。法律をつくる時、与野党協議でタウンミーティングやらないと、と言っていて、こうした皆さんがやってるものにどんどん参加していきたい。このような場はありがたい。今日いただいた意見、コメントを活かしながら、基本方針に盛り込みたいと考えている、しっかりとがんばってまいる所存。がんばって基本方針をつくるので、よろしく。
増子輝彦参議院議員。民主党政調会長代行(福島復興再生特命)。福島フォーラム、ありがとう。日弁連、弁護士会、ネットワークの皆さんありがとう。公務で前半聞けなかったのが残念。超党派でつくったのはご案内の通り。これからが大事。民主の福島復興再生の特命の政調代行、政府、党、野党含めて、課題がある。子どもの未来をつくる責任がある。県外避難の子ども、避難したいけどできない人が多くいる。子どもの未来のため、この法のワーキングチームをつくる。風評被害。これから福島どうつくっていくかをやっていきたい。子どもに対する被災者への支援をどうしていくか。水野参事官も来ているが、子どものために自主避難に何をすればいいか。具体的にプログラムをつくっていきたい。各市町村から懇談している。線量も違う、仮置き場、中間貯蔵施設、賠償、それぞれ違う、安心できない状況。政権が仮に交代しても、どの政権でも道筋をつくらないといけないのが国会議員の使命。今まで以上に決意を新たにする。
復興庁水野参事官。本来ならば、国会議員より先に説明すべきであった。基本方針をつくる、支援対象地域を決めるのが政府の役割で、関係省庁とも相談して、増子先生政調代行特命、提出者復興庁金子政務官、これからいろいろな指示をいただけてすすめられるのではないかと期待している。被災者の声を反映するには、どのように聞くか。サフランから声をいただき、このような集会、院内集会に可能な限り参加させていただき、被災者支援団体の生の声を聞く場、このような場は、大きな収穫だ。基本方針をつくっていく中で、イメージとしてはどのような具体的施策をするか、その方針を書くのかなということで、どのような政策も予算の裏付けがいる。毎年12月末に政府予算案が固まるので、それにあわせて基本方針をつくっていく。新たな施策をどのように組み立てるのか、行政官としては、課題や留意点を一つ一つ解決していくのが私たちの役目。微力だががんばっていく。今日のフォーラムでは、除染が大事、保養についても大きく、リスクコミニケーションの重要性も確認したというのが、私として印象に大きく残った。引き続き、理解と支援を。
最後に閉会挨拶が、日弁連森山副会長からあり、終了した。
終了後も、会場内で参加者や主催者たちが、増子政調代行や金子政務官や水野参事官の前に行列をつくり、積極的な意見交換が行われた。基本方針策定担当の水野参事官も、当ブログを毎日見ているとのこと。皆さまからいただいた声は届いてはいるが、実際にどう具体的な施策がなされるかが重要であり、当ブログで一つ一つ具体的施策が発表できるよう努力を続ける。
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