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ブログ運営:「子ども・被災者支援法」発議者の1人、川田龍平参議院議員事務所

2012年10月9日火曜日

10月4日「子ども・被災者支援法」を育てる世話人会・勉強会報告



 子ども・被災者支援議連立ち上げの準備をしているが、それに先立ち、毎週、省庁と発議者との間で交渉をすることになり、先週の104日、「子ども・被災者支援法」を育てる世話人会・勉強会の初回が、参議院議員会館にて開催された。

出席者は、谷岡郁子議員、徳永エリ議員、森まさ子議員、川田龍平議員、紙智子議員、山下よしき議員、そして復興庁、厚生労働省雇用開発課・地域開発対策室、国交省等、その他オブザーバーとして発議者秘書とサフランの河﨑氏。以下、話された内容の概略を報告する。


復興庁:復興庁・与党の検討状況として、PT提出資料の説明をする。子ども・被災者支援法の施策予算は、事項要求として予算編成過程に入れていく。まず支援対象地域の「一定の基準」といった際の定義については、1mSV/年、5mSV/年、10mSV/年など様々な意見があるが、いずれにしてもなぜその数字なのかという根拠を明確化しないといけない。自主避難の数字を把握するように与党から言われていてやっているが、まだ把握できていない。

議員:基本方針の作成状況はどうなっているのか。

復興庁:検討しているところ。イメージとしては、現状やっているもの、今後やっていくものを整理してつくっていく。予算を裏付けないといけないので、予算の編成過程とともにやっていく。12月末の政府予算案決定と同時期をメド。

議員:資料提供せよ。自主避難についてどのような施策されているか、継続されているか否か。9月末で保険費など打ち切られたものある。一般的被災と放射能の問題は分けないといけない。仮の町できたから帰れるという問題とは違う。まだやられていないけれども要望が強い、来年度からやらないといけないもの。予算が必要でないものもある。そうしたものを整理せよ。具体的には、福島の基金を使っての甲状腺の調査、データは何年保存されるのか、実態把握はどうなっているのか。原発サイト内の労働者のデータ管理の保存期間。甲状腺がんの第一号、取り出した臓器の保存管理。これらは予算ではなく、新たな政策としてやっていけるもの。そうした整理をして欲しい。

復興庁:いずれ整理しないといけない。1週間で準備できるかは持ち帰らないといけない。

議員:与党の会議でも基本的データがない。北海道には避難者が3000人いると言われているが、行政が把握していないものもある。母子避難はどれだけなのか。ベースの数がないと予算把握できない。健康調査は事故後はじまったが、子どもの甲状腺の嚢胞が通常どうなのか分からないと比較できない。

議員:福島県の基金で健康調査しているが、厚労省として姿勢はどうなのか。

厚労省:職業開発なので医療は分からないから持ち帰る。

議員:928日に厚労大臣に「被災者雇用開発助成金要件緩和に関する提言」を出した。被災者雇用開発助成金の支給要件が、被災地求職者のうち、震災発生日から平成24930日までにハローワーク等で給食活動を行っていない者(原発事故に伴う非難指示に係る区域に居住していた者を除く。)は支給対象としない改正がなされる。そこで「先に成立をした原発事故子ども・被災者支援法は、避難の権利を認めた法律である、原発事故で避難した方には国の避難指示あるなしにかかわらず、移動・住宅・就学・就業、移動先自治体による役務の提供を、避難しない方には、医療・就学・食の安全・放射線量の低減・保養を支援すること、さらに家族と離れてくらすことになった子どもに対する支援を定めたものです。よって、法の趣旨及び目的に照らして考えると、今回の規則改正の再検討を行うことが望ましい」との提言をしたが、回答を求める。

厚労省:被災者雇用開発助成金については、雇用保険が赤字なのでやむを得ないと了承されたもの。代替措置を考えないといけないが、それが資料の(2)以降で、(4)と(5)は本人への給付だ。(2)特定就職困難者雇用開発助成金、(3)成長分野等人材育成支援事業、(4)職業転換給付金、(5)求職者支援制度。

厚労省地域雇用対策室:被災地で安定的雇用創出するため、厚労省から被災県に基金を積み、雇い入れ助成金を出す。経産省や農水省や自治体が施設整備に経費補助もする。実際には県がするので詳細は県でつめてもらう。

議員:ベーシックなこととして、当初1年半、これでよかったかもしれないが、津波や大震災の被害と原発の被害とは全く別物であるということが明らかになった1年半。今後の問題として、原発事故の被害を受けたものをどう扱っていくのか。今までは震災被害と一緒のものとして取り扱っていた。それを一元的に打ち切っていくのはいかがなのものか。

厚労省:被災直後の離職状況からやってきた施策であり、福島避難の中で雇用対策をどうするのかは次のステージ。一部930日に切られるが、ハローワークで、雇用保険が切れたらどうするか、マンツーマンで対応している。被災地の中できめ細かな対応するよう指導している。住民票がなくても、本人申告で大丈夫なようにしている。

議員:雇用の助成金はなぜのばせないのか。

厚労省:大臣と審議会でもんで意見たずねて省令を出したので撤回はできない。大臣にも相談したが。完璧ではないが代替措置を周知する。成長分野等人材育成支援事業は、1年半無業だからOFF-JTをするということで、1コース20万出るので、5コースなら100万出るので充分代替になる。

議員:働くことによって、東京電力の賠償から差し引くようになっている。国が加担。これは東電を被害者が支援することに国が加担しているといえる。賠償から差し引かれるから、あえて働かなかったということもある。(1)を打ち切って(2)以降が代替になるとは理解できない。

議員:(2)以降の対象じゃない人いっぱいいる。

厚労省:被災者については成長分野でなくても対象になる。

資源エネルギー庁:これまでは被害者が働けば控除されたが、6月以降の営業損害は、就労再開したものは控除されない。

議員:13カ月そうなっていたんだから、岩手と同じに打ち切ります、というのは、国家として整合性がない。福島の原発事故については別途でないといけない。

議員:他の被災県とは違う。これから避難する人もいる。給付金は、被災者開発助成金がなくても、これもあれも使えるではなく、被災者に特化したものでないといけない。

議員:あの時点でそうだったのは分かるが、全く別の状況になったのは明白で、原発被害者には別の設定が必要だから、法律をつくった。新たな施策はそれに沿ってつくるべきではないかということを言っている。

議員:(2)の特定就職困難者雇用開発助成金で、母子家庭の母が対象とあるが、母子避難で二重生活は、母子家庭ではない。子どもは放射性物質に感受性強い。この母親を支援できない制度になっている。

厚労省:事業主がこういう人を雇った場合の話で、本人へのものは強化しているし、打ち切ってない。マザーズハローワークでマンツーマン指導もやっている。母子家庭のみならず、準じる人についても受けるように通知を出している。米沢のハローワークには強力に指示している。

議員:マンツーマンで指導受けられるだけですか。

 厚労省:(5)の求職者支援制度もある。

議員:(1)の被災者雇用開発助成金がなくなって、(3)の成長分野等人材育成支援事業でOFF-JTやるなんて、事務員するのにそんなOFF-JTは必要なく、(1)がないともらえない。代替にならない。

厚労省:何らかのOFF-JTが1年半休んでいたら必要。

複数の議員:納得できない。

議員:カネミ油症被害については議員立法が成立しては予算ついたのに、こちらはやってない。軽視している。

厚労省:代替措置がある。被災者雇用開発助成金は、被災県、労使に相談して了解してもらった。

議員:これから出ていく人、すでに出た人も含め、基本方針つくらないといけない。概算要求に一切入っていないのはどういうことか。法律に書いてある。

議員:子ども被災者支援法を意識してなかったとは思うが。

厚労省:そんなことはない。(1)の被災者雇用開発助成金は、助成金全体の削減を、今年度はじめから、審議会などで厚労使でお話しし、被災9県の市長知事にお話しし、75日の労働政策審議会職業安定分科会で議論した。

議員:6月に法律出ているから状況変わる。法律できたのに、その場で、なぜそのことを言わないのか。
厚労省:助成金全体5000億で、1800億が赤字だ。

議員:なぜ来年度やらないのか。

厚労省:来年度も同様赤字になる。

議員:保険団体ではなく政府に求めている。なぜ厚労省は考えてない。概算要求出しなさい。

厚労省:考えていないわけではない。

議員:そこから出せないなら、一般会計や復興特会があるでしょう、と言っている。人びとの生活、人生を再構成するためのもの。自立支援しないと復興にならない。

議員:厚労省はだめだから、復興庁で仕切ってもらわないと。

復興庁:資料をもらってないから分からない。

議員:厚労省ができないなら復興庁がやらなきゃというふうにならないと復興庁の意義がない。

復興庁:いきなりではこの場ではこたえられない。

議員:次までに101日で切れているものの一覧を出し、12月までに基本方針といっても、たたき台くらいはつくってほしい。

議員:財源が限れているというところから施策を決めていくと、線引きになる。その発想自体がだめ。このための財源をどうするかという発想でやらないと。

復興庁:PTの資料のつくりがまずかった。こういってはなんだが、しっかりやっている。行政施策は全ての事項を勘案しないといけない。
議員:自主避難者の高速道路、借上げ住宅の延長。リフレッシュ、県外健康調査。どうなっているのか。

国交省道路局高速道路課:移動支援が社会的課題なのはその通り。高速道路無料化は技術的に難しい。警戒区域外から避難した理由が、放射能なのか、地震・津波、仕事の転勤か原因特定しないといけない。現時点で特定するノウハウがない。復興庁からの資料でも把握は困難。

議員:そんな話が被災者に理解できると思ってるの? 別途の提案はないの。つくってきらから言いなさいよ。親子が会えるのを保障するのは当然。子どもの権利条約だって批准している。沖縄の道路とかに復興予算使って、国交省として言い訳できるか。国が原発政策をすすめてきた結果、子どもを虐待している。被災者支援、子どもが親に会うのを保障すること。それを国交省に求めている。被災者から大きく求められている。それできないなら、私たち、国交省の全ての予算を妨害しなければならなくなる。これだけは達成しないといけない。これだけはやれるはず。山形、新潟、茨城にたくさん避難している。そんな大きなお金ではない。

議員:母子避難の実態調査くらいできるのではないか。

国交省:避難者については復興庁に伺った。復興庁でヒアリングする。

議員:北海道は一律2万円を道が避難者に出した。これは少ないと思ったが、やはりすごく助かったという声が大きい。家族と一緒であることが、子どもの健全な育成になる。高速はたてつけ難しいとかいう話ではない。北海道への避難は高速無料化では対応できない。

議員:被災者、打ちのめされている人の気持ちを考えて。国家の品位、責任が問われている。

議員:一定の基準について、それぞれの数字についてどういう根拠でこの基準にせよと言われているか。

復興庁:1ミリを目指すということは多くの人から言われている。510という基準については特段理由を聞いた記憶はない。放射線管理区域が5ミリと言っていた人はいた。

議員:風評被害は自治体の言い草。一人一人の人生、家庭の再生をするためのものがないから法律をつくって、自己決定権を持たせた。健康や人生の危機に対し、風評被害とか帰還促進がでること自体が間違い。法の趣旨と違う。1ミリに数年かけてやっていく。そのためにどうステップを踏むか。放射線管理区域は、18歳以下は入れず、飲食もできない。そこで生活しているのは、だめ。その考え方で言えば、5ミリ。ICRP1から20のできるだけ低いところ、子どもは4~5倍感受性高いと言っている、その枠づけの中で決まる。

議員:基準を高くすれば、風評被害のおそれがあるというのなら、理解できる。低く設定すれば風評被害が薄れ、帰還意向も増えるという関係でしょ。高いところで線引きをすると「高いでしょ」ということで風評被害が出る。1ミリを目指すわけだから。

復興庁:福島というだけで風評被害があるので、福島県内では低くても対象にするようにとの意見は聞いている。だが、福島県全体にすると、福島はやはりまだ危ないと言われてしまう。

議員:1ミリなら風評被害が低くなるということを認めるか。

復興庁:低くすると個別の風評被害対策が薄くなるという考えの方もいらっしゃる。

議員:基準を低く設定すれば風評被害はなくなると考える。福島全域にすると、1ミリ以下のところがある。そこをカバーすると、風評被害拡大じゃないかと心配するが、1ミリ以上以下ではなく、福島原発という名のもとにある影響から、福島全域をカバーするということ。新たな風評被害を呼ぶわけではない。福島に住んでいるからこその被害だ。

議員:厚労省は、食品については1ミリ下回る基準つくったのは偉い。小宮山大臣の英断があった。日本の食糧に対する安心は国外に対しても高まった。外国の観光客も戻ってきた。これが風評被害なくしたという実績だ。

議員:留意点を意図的にあげているようにみえてしまう。

議員:支援対象地域の指定の際、国が指定すべきではないか。自治体の手あげではなく。

議員:国が自治体の意見を聞き続けて、住民の意見が反映されない、それをカバーするために法律をつくった。

復興庁:行政のやり方としては地元市町村を無視できない。

議員:無視していいなんて言ってない。今の書きぶりは住民の意見が反映されるようになっていない。
 
議員:国民が官僚バッシングを続けている。官僚の給料を下げるのを私は反対だが、バッシングが続くのは、官僚が国民と離れて自らのためになっていないと国民が思っているということだ。

議員:メリハリがついた施策できないという官僚用語は意味が分からない。

復興庁:対象者が大きくなると予算規模が見えず、おのずとできることに限界が出る。

議員:津波被害がおきた。被災者の数は減らせない。それにつきあうしかないから増税して復興特会をつくった。被災者を限定することによってちゃんとやるのではなく、被災者がいくらでもやるというのが、復興特や復興特会をつくる前提でしょう。予算がどうのというのは前提にならない。

復興庁:被災者もいろいろいる。非常に困っている人から優先しないといけない。本当に困っている人はどの人かをみて、優先的にやる。

議員:だからこの法律には子どもを優先するとなっている。風評被害を言うなんて、子どもを全然見ていないではないか。立法の意図は、子どもを優先して救ってくださいということだ。

議員:事故があったから、母親が子どもを心配する状況ができた。医療費無料にして、安心させるのが国家の責任。事故が起こったのは元に戻すことができない。これはメリハリではない。立法の趣旨と違う。肝に銘じて欲しい。

議員:子どもや母親を中心に生活者の意見を集めたのがこの法律。業界の意見を聞いたのは別に閣法である。子ども、いのち、健康から考えないといけない。

議員:風評被害ではなく実害だ。チェルノブイリと比較して軽いと思っているのではないか。チェルノブイリで起きていることを見てください。日本がかかえていく問題がある。それを未然に防止するということ。実害がチェルノブイリで起きている、日本は対策すれば、実害が少なくなる。今のままでは、将来的に医療費が増大する。だから移動費が必要。取り返しがつかない。

議員:チェルノブイリは前例がないから、4年かかって甲状腺ガンの症例が分かったが、グラフを見れば2年後にも3年後にもある。

議員:チェルノブイリでは甲状腺ガンは10年たたないと出ないから4年は早過ぎると言っていた。今度、また同じことを言っている。チェルノブイリでは20年後に生まれた子どもとの比較で科学的証明ができた。チェルノブイリは石棺している。福島と状況が違う。

議員:福島医大は、5ミリ以下の嚢胞は大丈夫と言うが、3ミリ以下10個ならどうか。明らかに異常なのに5ミリ以下ならオッケー。データすら保護者がもらえない。それがパニックになっている。それをおいて、帰還意向がどうとかならない。こういうところできちんと施策をすると風評被害もなくなる。今かける費用は、将来に大きな費用がかかるのを未然に防ぐもの。1人に100万円やれと言っているわけではない。

議員:復興庁と他省庁との関係は、厚労省が予算赤字ですと言われたら、復興庁はそうなんですねであわせているのではだめ。各省庁に予算がないなら、どう確保するかと考えないといけない。介護保険を9月末で切ったのも同じ。減免制度なくなることでどれだけ大変か。復興庁が何のためにあるのか問題提起をしないと。

議員:財務の主計に復興予算の使い方について申し上げたのは、地域産業の再生はついているが、人々の自立の支援、生活再建については予算がいっていない、原発被害という特殊なことについて1年半で分かってきたことについて勘案されていないのではない、と強く話した。政治的にも微力だが、今必要とされている予算についてとれるようがんばっていく。予算、基本方針を現実にあわせて小さくつくるのではなく、今の被災の大きさにあわせる形。あるべき基本方針、現実をみて小さくつくらないように。それが心からお願い。そのために政治ができることはいくらでもするので相談して欲しい。原発で働けないことについてどうするか、国交省は移動のための別の手立てを考える。厚労省は、医療関係にも来てもらわないといけない。子どものためだ。

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