[子ども・被災者支援法って何?] [ご意見投稿フォーム]


ブログ運営:「子ども・被災者支援法」発議者の1人、川田龍平参議院議員事務所

2012年10月18日木曜日

10月18日「子ども・被災者支援法」を育てる世話人会・勉強会報告



1018日、第3回「子ども・被災者支援法」を育てる世話人会・勉強会が参議院議員会館内で開催された。以下に報告する。

出席:徳永エリ議員、紙智子議員、川田龍平議員、秋野公造議員、復興庁、環境省放射性物質汚染対処特措法施行チーム。オブザーバーとして、発議者秘書など

出席できない議員が多かった理由は、参議院で10時から16時まで、決算委員会が開かれ、発議者の森まさ子議員、加藤修一議員、吉田忠智議員、谷岡郁子議員が委員として、復興予算が被災地外に使われていない問題について質疑をしていたため。


環境省:資料に基づいて説明する。2ページは、汚染がいかに広がりがあるかを理解するためのマップがある。色が塗ってあるのが毎時0.23マイクロシーベルトで年間1ミリを超えているエリア。茨城、栃木、埼玉、千葉にも広がっている。

3ページの説明。空間線量低減に取り組むために、放射性物質汚染対処特措法があり、基本方針に基づき、今年1月より完全施行している。原子力事業所内は、東京電力が実施。

環境省が取り組んでいる除染は2つ。除染特別地域、汚染状況重点調査地域。

4~5ページの説明。除染特別地域は11町。国が除染実施計画をつくって、自ら直轄で除染する。7町村で計画策定され、除染が開始、あるいは開始されようとしている。直轄地域は、当面2年間(24年度、25年度)を線量ごとに分けて実施する方針。直轄地域の進捗状況。除染には計画策定と仮置き場の確保が前提。双葉は地元との調整がまだ必要。非直轄地域について、104のうち86市町村が実施計画協議。法施行以前に除染計画策定したものを入れると94市町村。計画は進んでいる。

6ページの説明。汚染状況重点調査地域は、一定の汚染があると思われる場合、市町村が測定し、市町村が除染実施計画を策定する。市町村が除染する場合、国が費用を支援する。

議員:直轄地域で計画ができていない理由は。

環境省:地元で重要視している課題は、区域見直し、賠償の問題なので、それが片付かないうちに次のステップに進まない。2~3年で帰れるかどうか、区域により賠償も変わるので、区域見直しこそ住民にとってプライオリティが高く、除染という次のステップに入らない。

議員:それは特措法に基づく措置の説明だが、子ども・被災者支援法では、子どもの住居や学校など重視という趣旨があるが、それを付け加えて検討しているのか。

環境省:先行除染というプロセスがあり、本格的除染をすすめるにあたって、拠点となるところを除染している。国や市町村がつくる除染計画は、人の健康の観点から必要なところからやっていく、中でも子どもがいるところは大事だとしている。

議員:田村市で先行的にやったというが、学校や子どもがいる所がどうなっているか分からない。

環境省:それは後ほど資料を用意する。基本方針で目標をかかげているので、子どもさんの環境を重要視している。

議員:除染計画が決まっていない所については、除染ありきで、除染して安全になったから戻ってくるんですよね。

環境省:除染をするために自治体の皆さまと話すと、まず賠償だ、ということで、除染の話に入っていけない。地域指定の問題は除染と100%オーバーラップしているとは限らない。当然線量が高いところは除染しなければいけないが、自治体と調整中。

議員:長期的に20ミリにしていくというのは、どれくらいの期間でしていくのか。

環境省:目標年度はない。

議員:20以下というのならば、自然に下がるから、何もしない言い訳にもなる。いつまでかをはっきり。非直轄の方が多いのだから、数値や目標を。

環境省:市町村に聞いてまとめるという作業をしようとしている。それをまとめて紹介する。今進行中だ。今ちょうど取り組みをやっている。調査についても、項目が多すぎると市町村にとっても大変なので、それも含めて調整している。すでに関係市町村にお願いしているが、期限については見えていない。情報交換はさせていただいているが、一つの表にまとめるため、ということをやるには、自治体にも負担をかけてしまう。数か月単位ではできるとは思うが。集計するということはチェックも必要で、手間がかかる。

福島県内の除染計画については、月1回、各市町村の報告書をつくっている。後ほど、資料をお持ちする。他の県で同様のことをやっているところはない。

直轄地域もいろいろステップがあり、除染をすすめるにあたって、住民の同意を得る、個人の資産に関わるので、それが重要なステップであり、週末も含めて一軒一軒われわれが伺っている。


議員:仮置き場確保済みというのは、どういう場所か。

環境省:仮置き場については、市町村と調整し、農地で使っていないところ、国有林を一部切り開いて造成するなど、先方のニーズによって異なった地域を使用されている。飯館村の一部確保済というのは、必要な面積の一部が確保されているということ。飯館村に関しては、大きく3つの工区があり、1工区はできていて、2~3工区については来年度だが、確保のためボーリングなど調査中だ。他の候補地も提案をいただいている。

地元調整中で困っているのは、南相馬市だと仮置き場候補地を市から提案いただいて、技術的に可能かをこちらから確認したが、周辺の住民の方の同意が得られていない。地権者の方は同意しても周辺の方々が納得しない。

楢葉町はかなり確保できている。詳細は現地の担当でないと分からない。中間貯蔵施設がないから仮置き場もできないという話もある。仮置き場が確保できないと全く除染がすすまないとは限らず、現場で保管するという方法もあり、できる限りやっていく。それ自身はシールドしておけばいいということは分かっている。

中間貯蔵施設は、平成271月から供用したいと思っている。中間貯蔵のロードマップで仮置き場から3年を目途にとなっている。8月の段階で、地元の方々に12か所、事前調査をさせていただくことを住民の方に理解いただきたいと国からお願いして、県がそれを引き取って、調整しているところ。

人の生活圏、住居、農地、人が住んでいる所に近い森林、といったように、自治体が決める計画に基づいてプライオリティーを決めている。

除染費用は2つあり、福島県は県の基金にお金を入れて、県が自治体とお話しして執行、福島県外は請求いただいて執行する。除染は予算としてはいただいており、これまでの合計額だと来年度概算要求4996億円、今年度3721億円。ただし、お金がないから除染ができないという状況には絶対にさせない。まだ執行されていないものも現実にはある。計画ができてない自治体もあるので若干スケジュールが遅くなっている。

除染に必要な人の確保は工事事業者が確保する。福島の場合、復興需要があり、確保が難しくなりつつあるという話もあるが、しっかりすすめるようにしている。

実証事業については第三者も入れて評価して、今まで2回、1回は22件採択し、結果は近日中に公表する。2回は15件程度予定していて、業者も近日中に公表する。ホームページで記者発表で公表する。

高線量のところは別途新たな技術がある。子どものところを優先という声が続いて、この法ができたので、その前から基本方針などでも言われていて、そもそもそれを懸案した計画になっている。

除染のスケジュールについては、計画をつくるのが大前提で、福島市も郡山市も計画があり、いつまでにどこまでやるかが定まっている。しっかりやりきるしかない。

仮置き場候補の周辺の方の理解、草や木がたくさん出たら、それを燃やすことにも反対がある。国としてしっかりサポートする。

中間貯蔵については、大丈夫な場所で安全にということで、具体的プランをつくって地元理解をいただくステップにしたいが、事前調査をさせていただきたいとお願いしている段階なのが現状。中間貯蔵施設を汚染している地域に置くと、より汚染がひどくなるのではないかと言われるが、そこは一つ情報発信しないといけないと思うが、そこの線量より低いものを持ってくるので、そのあたりを住民の方のご説明していく。

議員:公の場で業者や研究者などにコンテストとして、どういう中間所蔵がいいのか、決定していくようにしたらいいのではないか。国に信頼がないので、住民の理解が得られない。地元で受け入れられないなら、そういう提案もあるということだ。

環境省:中間貯蔵施設のロードマップのイメージ図はあるが、住民には具体的に説明しないといけないので、地元調査をさせていただきたいとお願いしている。

議員:ベラルーシの大使に聞くと、安全と経済の両方の側面を考えないといけないということで、外に持ち出すというのはどうなのか。福島県内で、ということにはならないのか。線量が高いところは入れなく、除染して下げていくというのではなく。

環境省:学校の除染は、毎時1マイクロには下げようという目標を立てている。

環境省:基本的にマイクロホットスポットという、側溝や雨どいの下にあるということは各市町村からいただいているが、どれくらいの数かまでは把握できていない。除染の計画策定がされて、濃縮する可能性高い所も測定させていただき、線量高ければ、除染の費用をかけるという対策を考えたいと思う。

議員:一関の学校のグラウンドが高かったが。

環境省:資料でも岩手も線量高いところあり、除染の計画策定していただいて、実施をすすめていくようになる。除染計画に位置付けられれば、100%国が費用を出す。汚染重点調査地域で計画が決まっていないところに対しては、引き続いて自治体と調整している。事故後に放射線量が下がってきて、計画を策定する必要ないと判断している自治体もあると聞いている。これ以外の地域は、法による除染をすることはないが、新たに発見されれば、環境大臣に申請して対象にすることはできる。

議員:農地の除染はゼオライトをまいたりして、自分で費用を持ちだしてやっているという話がきていて、請求しても東電に請求するものだからということで、自分で持ちだす以外ない。東電請求は時間かかるので、結局持ちだし。どう対処するのか。南相馬に行った時、畑をやっている農家が、東電に何回か請求出したが、一向に返事がこないという。

環境省:汚染重点調査地域で農地も計画に位置づけられているところもあるが、農地で土を入れ替えたら、土壌の質が変わった時、肥料などを入れる場合には、その費用は出る。除染としてゼオライトやカリウムをまくだけならば、除染とは認められず、肥料としてやっているか除染のためか分からない。除染として認められるのは土壌を何センチといった基準がある。単にゼオライトまくだけではだめ。

復興庁:自主避難者数は整理中で福島県でもよく分かっていなくて、県外6万人で自主避難は半分くらいではないか。つかみで半分が自主避難というのがどういうつかみかは分からない。11月中旬くらいにはというメド。市町村に負担をかけてはいけないので。一部自治体でまとまっている所は分かるが、それで全てというのではない。

議員:北海道に戻ったら、最近避難した人もいる。1年半以上悩んで移ろうと判断した。北海道になぜ来たかというと、受け入れ体制がある。家賃も安い。これから先どうするのか、どこに住んでいても、人間らしく生きられることを確保しないといけない。

議員:県外の健康調査について担当するところがないのは困る。

復興庁:先週この場で支援法に基づく事項要求があったことを説明しており。現在、基金事業で連携医療機関があることも説明している。いずれにしても環境省に責任をもってこたえさせる。

川田議員からの質問事項については、担当が違うところもあるので、次回以降に回答する。復興庁の担当箇所では、エコチル調査の結果を復興庁で一体化して把握という件についてはお答えできない。保養について、民間の保養事業への助成をどう検討するかについては、鋭意検討中で具体的に示せる状況にない。借上げ住宅が転居できない点については、災害救助法は今家がない人に提供するという観点なので、その後に生活事情が変わって移りたいのならば、東電の賠償でやるべきということで、応急の段階のみが災害救助法の範囲。福島県は1回に限り、仮設住宅の転居を認めていると聞いている。

0 件のコメント: